「なんでいなくなった!?」人気車だったはず……だよね? 忽然と姿を消したクルマたち5選
■トヨタC-HRは2017年のSUV新車販売台数第1位を獲得したにもかかわらず……
2014年のパリモーターショーで新世代コンパクトクロスオーバーのデザインスタディモデルとして発表されたコンセプトカーの姿カタチをそのままに、2016年12月にデビューしたC-HR。 デビュー当初の人気はすさまじく、発売1カ月後の受注台数は月間目標6000台に対して約4万8000台の好調な立ち上がりを記録した。加えて、2017年には販売台数が11万7299台となり、SUV新車販売台数第1位を獲得。 スピード感れあふれるキャビン形状やダイヤモンドをモチーフに強く絞り込んだボディなど、個性が際立つスタイリングは若者を中心に大きな支持を得たが……SUVブームがまだまだ続く状況のなか、2023年7月下旬に生産が終了した。 確かに、個性的なスタイリングを優先させたこともあって居住性や積載性といった実用面における使い勝手はライバルのコンパクトSUVに比べて難アリで、決して万人受けするクルマではなかったC-HR。 優等生然としたラインナップが大半を占めるトヨタ車のなかでC-HRは異色の存在だったことも間違いないが、TNGAによる新プラットフォームを採用した低重心パッケージ、レスポンス・リニアリティ・コンシステンシーを突き詰めた優れた走行性能、エコカー減税の免税対象となるハイブリッド車の30.2km/Lという低燃費性能など大きな魅力であった。 2019年10月に行われたマイナーチェンジでは、TOYOTA GAZOO Racingがモータースポーツ活動を通じて得た知見やノウハウを市販モデルに生かした"GR SPORT"を設定。車両本体価格も300万円前後と比較的リーズナブルだったが……。 そんなC-HRは国内販売こそ終了したものの、2023年6月に欧州で2代目が発表されている。こちらも超がつくほどのアグレッシブなスタイリングで話題となったが、日本での販売は果たして?
■日産のマーチは世界に誇るコンパクトクラスのフラッグシップだったのに…
日本車の海外進出がそれまで以上に盛んになった1982年にデビューしたマーチ。 その初代から2022年8月に生産が終了した4代目までの全世代モデルはともに老若男女から好かれた国民的なコンパクトカーだったことは周知のとおりだが、クルマ好きやスポーツカー好きにも強烈なインパクトを残した1台だったこともまた事実だ。 1982年のデビュー当時、絶大な人気を誇っていたスーパーアイドルの近藤真彦さんをCMに起用したことで一気に知名度を高めた初代マーチでは、今もなお語り継がれるようなホットハッチが登場。 1985年にはターボモデルが、1989年にはスーパーターボと名付けられたスーパーチャージャーとターボチャージャーを組み合わせたモデルが発売されて大きな話題となった。 1992年にフルモデルチェンジを受けて2代目へと進化を果たしたが、その評価はきわめて高く、日本カー・オブ・ザ・イヤーとRCJカーオブザイヤーの2冠を達成。また、海外でのセールスも好調で、全世代を通じて最多となる約254万台の販売を記録した。 2代目では初代のようなホットなスポーツモデルの販売はなかったものの、1996年にはレトロチックな装飾を施したタンゴを、1997年に電動ソフトトップを採用したカブリオレを、2001年には無印良品ブランドでおなじみ良品計画とコラボしたMuji Car 1000など、丸みを帯びたキュートなスタイリングを活かした派生モデルが発売された。 2002年にデビューした3代目ではエンジンの高出力化に加えて専用サスペンション、エキゾーストシステムをトータルチューニングして走行性能を向上させたスポーツモデルの12SRやコンプリートカーのNISMO マーチ S-tune COMPLETEなどが登場。 最終モデルとなった4代目ではシリーズ初となるNISMOバージョンも発売になるなど、クルマ好きやスポーツカー好きの記憶に残るような爪痕を残した。 国内のEVシーンをけん引する日産だけに、今後はマーチのEVモデルが登場するのではないかという期待もあるが……。