ロシアのメタン排出量は公表の2・4倍、国立環境研がCOP29で発表…観測衛星用いて解析
【バクー=天沢正裕】ロシアが1年間に排出している温室効果ガス「メタン」の量を解析したところ、公表量の約2・4倍にのぼったとする調査結果を、国立環境研究所が14日、アゼルバイジャンの首都バクーで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で発表した。ロシアが公表しているデータが不正確な可能性がある。 【グラフ】ロシアのメタンガス排出量は公表量と解析量に隔たりがある
国環研は、温室効果ガス観測衛星「いぶき」が2009~20年に観測したメタン濃度などをもとに、国ごとの人為的な排出量を解析した。ロシアは毎年「約1200万トン」と公表しているが、解析結果は年約2400万~約3100万トンで、平均約2900万トンと推計された。
日本や他の主要排出国は、解析量と公表量に大きな開きはなかった。世界銀行によると、ロシアのメタン排出量は世界5位とされる。環境省は観測衛星を用いたデータの検証手法をCOP29でアピールし、国際標準化を目指す。