電動キックボードの日常化が生むマナー問題、LUUPが警察連携とGPS監視で対応へ、全国1万拠点の成長がかかる安全対策
「徒歩30分の場所でもLUUPなら5~10分。街中にポートがあれば、駅から離れた場所でも駅前と同じような利便性で生活できる」(同氏)。マンションの入居者専用ポートを設置する例も出るなど、新しい都市の在り方への挑戦は着実に進んでいる。 都市部での展開に加え、地方でも新たな動きが始まっている。地元自治体や企業と協業し、その地域に合わせた台数や料金設定でサービスを提供。観光客が集中する季節だけポート数を増やすなど、大手交通機関では対応が難しい柔軟な運営を可能にしている。
事業としての手応えも出てきた。各エリアでの採算は確保できており、ポート数を増やすことで収益性は向上するという。ただし、企業全体としての黒字化については明言を避けた。 その一方で、創業時の構想でも広がりを見せている。最近では訪問介護事業者との連携も始まり、介護スタッフの移動手段としても活用され始めた。事業所に寄らずに直接利用者宅を訪問できるため、スタッフの稼働効率が向上。人材確保にもつながっているという。
「便利で安全なだけでなく、日常が少し楽しくなるようなインフラを目指したい」。岡井氏の視線は、すでに次のステージを見据えている。
石井 徹 :モバイル・ITライター