「アメ車」の代表選手 フォードを支えた珠玉の名車 8選 モデルTからエクスプローラーまで
フォードGT40(1964年)
ロードカーとして発売されたGT40だが、耐久スポーツカーレースで勝利を収めること、つまりフェラーリを打ち負かすことを目的に開発されたレーシングカーだ。7.0L FE V8エンジンをミドマウントし、全高が約40インチ(1016mm)であることにちなんでGT40と名付けられた。 有言実行、GT40は1966年と1967年のル・マン24時間レースに出場すると、見事に優勝を果たした。その後、排気量5.0L以上のエンジンを禁止する新レギュレーションが導入された。フォードはこれを受けて4.9LのウィンザーV8に変更し、1968年と1969年にもル・マンで優勝した。
フォード・トランジット(1965年)
商用バンの代名詞的存在。トランジットの名は、1950年代半ばにドイツ・フォードが開発した商用車に初めて用いられたが、現在のモデルラインは1965年10月デビューの英国仕様にさかのぼるというのが一般的な見解だ。 搭載されるV型4気筒エンジンは非常に短く、トランジットの窮屈なボンネットにすっぽり収まっている(直4やV6では、ノーズエクステンションを必要とした)。1977年のフェイスリフトではノーズが長くなり、新しいエンジンを搭載できるようになった。これはトランジット・マークIIと呼ばれることもあるが、完全な新型車が登場するのは、初代の発売から20年以上経った1986年であった。 現在も人や物を運ぶクルマとして、世界中を駆け回っている。ピックアップトラックのFシリーズと並ぶ、フォードの商用車の双璧と言えるだろう。
フォード・フィエスタ(1976年)
フィアット127やルノー5など強豪がひしめく欧州Bセグメント市場に、フォードは後発で参入した。同社として初めて横置きエンジンの前輪駆動方式を採用しており、サイズの割に室内が広く、スタイリングも高く評価された。 エンジンは有名な「ケント」を改造した「バレンシア」と呼ばれるもので、当初は957ccと1117cc、その後1.3L、最終的にはXR2(写真)で1.6Lも導入された。フィエスタの功績の1つは、何世代もの若者が人生初のマイカーとして運転を覚え、ブルーオーバルのエンブレムに馴染むきっかけとなったことである。