「アメ車」の代表選手 フォードを支えた珠玉の名車 8選 モデルTからエクスプローラーまで
フォードFシリーズ(1948年)
フォードは早い段階からトラック市場の可能性に気づいていた。第二次世界大戦までのトラックは基本的に乗用車から派生したものだったが、「ボーナスビルト」としても知られる初代Fシリーズは異なる。最初からトラックとして設計され、ボディタイプや性能も非常に多様だった。 Fシリーズはその後、どんな不況でも確実に売れるロングランシリーズとなった。現在でも、F-150に代表されるFシリーズはフォードの大人気車種であり、2022年には46年連続で米国ベストセラー・トラックとなり、また自動車としても41年連続でベストセラーに輝いた。米国の物流とフォードの経営を支える大黒柱と言える。
フォード・マスタング(1964年)
この記事を読まれる方であれば、「ポニーカー」という言葉は聞き馴染みがあるかもしれない。ポニーカーの定義はいくつか考えられるが、1つは北米で設計・生産された小型の高性能クーペまたはコンバーチブルである。その先駆けは、1964年にデビューし、瞬く間に社会現象となった初代マスタングである、というのが一般的な見解だ。 初代マスタングは直6エンジンを選択することもできたが、消費者に好まれたのはV8だった。V8にはウィンザーやクリーブランド、FEなどと呼ばれる複数のユニットが存在する。1969年と1970年に短期間使用されたボス302は、ウィンザーにクリーブランド(当時はまだ本格生産されていなかった)のシリンダーヘッドを載せたものだ。 最新の第7世代に至るまで、マスタングは米国を代表するスポーツカーの1つとして広く親しまれている。なお、2019年に電動クロスオーバーのマスタング・マッハEが登場したが、系列も中身もまったく異なる。無関係のクルマに「マスタング」の名を与えることについては、ファンや評論家の間からさまざまな意見が聞かれた。しかし、フォードの歴史を振り返ってみても、知名度の高い車名を別のクルマに流用することは決して珍しくないので、今後も1つの戦略として続けられるだろう。