ラジエターやブレーキキャリパー、エンジンを塗るなら「ガンコート」しかない理由
カスタムやレストアで行う塗装の中で、特にエンジンやブレーキ周りに最適な塗料として知られているガンコート。ガソリンタンクやカウルを塗装する装飾的な塗料に対して、機能性塗料と呼ばれるガンコートにはどのような特長があり、なぜモータースポーツシーンをはじめとした自動車&バイクユーザーから支持されているのかを解説します。 【画像】ガンコートの関連写真をギャラリーで見る(12枚) 文/Webikeプラス 栗田晃
アメリカ軍が銃火器用に開発した塗料だから「GUN」「KOTE」
空冷エンジンのシリンダーやラジエター用塗料として、カスタム業界で圧倒的な人気を誇るのが、アメリカKG社が開発したガンコートです。この塗料はそもそも、ライフルなどの銃火器の塗装用として開発されました。 ライフルや拳銃は弾丸を発射すると銃身が高温になり、連続的に使用すると熱によって銃身が歪み照準がずれるという問題がありました。 また上陸用舟艇から海に飛び込んだり砂地を移動するなど、作戦行動時には兵士と共に銃火器類も過酷な状況にさらされます。 そうした環境下で、まず第一に温度による照準への影響を最小限するための放熱性を有し、手荒な扱いを受けても塗膜がダメージを受けない表面処理として開発されたのがガンコートです。 ガソリンタンクやカウルなどの外装パーツをペイントする塗料であるラッカーペイントやウレタンペイントの主たる目的が装飾であるのに対して、ガンコートは放熱性や塗膜の耐久性といった機能性が特徴であり「機能性塗料」と呼ばれることもあります。 このガンコートを2006年頃に日本市場に導入し、現在日本総輸入元でありアジア総代理店を務めているのが愛知県のカーベック(https://www.carvek.jp/)です。 同社ではKG社と緊密にコンタクトを取り、そもそも銃器用に開発されたガンコートがモータースポーツやオートモーティブにとってどれほど可能性がであるかを伝え、製品開発にも協力しています。 詳しくは以下で説明しますが、ガンコートの性能を最大限に発揮させるには170℃で1時間以上の焼付乾燥が必要です。そのため、焼付乾燥器を所有していない場合は施工店に作業を依頼することになります。 ガンコートの施工店は全国各地にあり、それぞれのショップがSNS等を通じて情報を発信しています。カーベックは輸入元であり総代理店なので、ユーザーからの依頼で直接作業を行うことはありません。 ただしガンコートに魅力を感じ、近所に施工店を見つけられない場合、カーベックに問い合わせることで最寄りの施工店を紹介してもらうことは可能です。 次項ではガンコートの具体的な特長を紹介していきましょう。