イチローを残したマ軍の決断は戦力外問題を「先送り」しただけだったのか?
外野5人の状態でも、ボーゲルバックを外した後、相手先発が右の場合は、ヒーリーをスタメンから外して、ベン・ギャメルを一塁で起用する策もある。結局、外野は4人、リリーフは8人という固定観念にとらわれるから柔軟性を失う。それが外野5人、リリーフ7人になったところで勝ち負けには大した影響はない。 もちろん、いつか、イチローに関する決断をするときがくるかもしれない。 ただ今は、それよりもチームにとって最重要課題は先発陣をどう立て直すかーー。昨年から言われていたことだが、そこに明確な答えを出さないまま開幕を迎えた結果、懸念が現実となりつつある。23日、かつてマリナーズにいたロエニス・エリアスをレッドソックスから獲得したのも、それを意識した動きだろう。 大局に立てば、イチローかエレディアかではない。そもそも最終的な引き金にこそなったが、必ずしもギャメルがケガをしたからイチローと契約したわけではない。その入り口を間違うと、今回もことを見誤る。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)