「壊してもらいたい」“心霊スポット”化した廃病院で相次ぐ不法侵入などの迷惑行為 行政や警察が介入できない理由は… 新潟・糸魚川市
この日、少なくとも2組が建物の中に入っているのを確認できました。 「こうなってしまうと使い道がないから、取り壊すしかないんじゃないですかね」 「壊してもらいたいんだよね、更地にして。誰が入るかわからないからね」 近隣住民らは、何者かが侵入するこの建物を壊すことを強く望んでいますが、その取り壊しが進まない理由があります。 「事実上、管理者の方はいないって聞いています」 「敷地の土地もかなり所有者の方がいろいろ分かれていて、かなり多い人数おられるので、どうしたら良いか分からないと…」 住民によりますと、旧姫川病院の土地は地元企業や住民らが所有していますが、建物が残っているために、土地を利活用することも難しいと言います。 登記簿を確認すると、当時病院を運営していた法人の名前が、所有者の欄に記載されていました。 BSN新潟放送の取材に対してこの法人の関係者は、「今は破産していて、建物は組合のものになるが、実質的に法人は解散しているので処理ができない状況。当時は、医療過疎地ということもあって、老人ホームなど新たな建物にする計画もあったが、なんらかの理由で頓挫した」と話しています。 姫川病院が閉院した年に、地元・大野区の副区長を務めていた元区長の新井春雄さんは、当時から糸魚川市に対応を求めてきました。 「当時、弁護士に、糸魚川市がその気になれば解決するんじゃないですか、努力しなさいよ、って話聞いたから挑戦したけども…(ため息)。まだ駄目だわ…」 現区長の磯野健一さんら地元住民も、引き続き市へ対応を求めています。 「今現在、大野地区にとってはマイナスの施設になっていますね」 「個人ではなかなか解決することが難しいと思っておりまして、行政等に相談し、お願いしているところです」 こうした声に対して、現時点で糸魚川市は 「建物については、所有者である組合の法人登記が閉鎖され、法人としての実態がないことから、管理者不在の状況と認識しております。市は土地・建物の権利者ではないことから、現状では法的に対応が困難です」としています。