20万人を超える大学生が自転車で深夜に大移動! 中国「チャリオフ」大ブームの怪
――そんな、大学生ウエルカムだった状況が変化したきっかけは? 高口 11月8日の深夜サイクリングには、20万人を超える人が参加。これは地域住民の生活を阻害しますし、「人集まったし、学生運動でもやるか?」というノリになることを政府が恐れ、規制されることになりました。 その一方、10月の時点では大学生が中心でしたが、それ以降には若者世代の現役・退役軍人や政治的なアピールをにおわす人たちも参加するようになりました。10月初旬からの参加者たちのSNSをチェックすると、「最初のほうが楽しかった......」といった11月8日の状況にドン引きしている投稿も見られました。 これは中国の盛り上がったイベントの特徴なのですが、例えば注目度の高いイベントで退役軍人が「われわれは祖国のために頑張ったのに補償が少なすぎる!」とアピールすると、それが公式に認められることがあるのです。 それもあって、深夜の大規模サイクリングには学生ノリの初期からの参加者と、自分たちの主義主張をアピールしたがる人たちとの間に温度差が生まれていたのです。 ――ところで中国人の〝学生ノリ〟とはどういった感じなのでしょうか。中国人YouTuberで『マイティ・ポー【中国人アル】』チャンネルのPooちゃんに聞いてみました。こういった大勢で同じことをやって楽しむ学生ノリはあるんですか? Pooちゃん あるんだよな。オレが学生だった頃は期末試験が終わると、なぜか学校のみんなが破った参考書や問題用紙で紙飛行機を作って、それを校舎から校庭に飛ばすんだよ。最終的にはゴミとか投げてるやつもいるんだ。なんで、こんなことやってんだかよくわかんないんだけど、とにかく同じことをみんなでやるのが楽しいんだよ。 あと、例えば「李くんと林くんが、◯◯市場でケンカするぞ!」ってなったら、学校中のやつらがそこに集まってくるんだ。遠くてもみんな自転車で行くから、やってることは深夜のサイクリングと一緒なんだよ。 ――ちなみに、Pooちゃんも地元で深夜サイクリングがあったら参加する? Pooちゃん 絶対に行く。正直、肉まんなんてどうでもいいんだよ。ただ、そこに行けば女のコとワンチャンあるかもだし、それがなくても友達とワイワイやりながらサイクリングするのは楽しいに決まってる。 オレが、みんなでケンカを見に行ったときも、結局ケンカよりも、そこに行くまで仲間としゃべって屋台で串焼き食べたりするのが楽しかったんだ。 若い世代の中国人にもそういった経験って絶対にあるし、深夜のサイクリングも途中でSNSにアップしたり屋台で飯食ってるじゃん。これは、オレから見ると中国人にとっての小中高の学生ノリが、そのまま延長しただけって感じなんだよな。 あと、9月は中国では新入学シーズンで、10月はちょうどみんなが仲良くなってきた時期。それもあって深夜のサイクリングが一気に盛り上がったんだと思うよ。