大義なし?”三度目の正直”と「大阪都構想」持ち出した背景とは 透ける維新の党内事情 住民投票実現には壁も
吉村洋文・大阪維新の会代表は、2度否決された大阪都構想について検討チームを立ち上げました。その思惑はいったいどこにあるのでしょうか。
「3度目の正直」ということなのでしょうか。大阪維新の会は17日、結党以来の旗印である「大阪都構想」のあり方を党内で検討するチームを立ち上げました。半年から1年程度かけて結論を出す考えです。 (大阪維新の会 高見亮市議)「現在地において大阪都構想というものが果たして大阪を成長させる大阪を飛躍させる手段なのか、我々の設計図作りを通して考えていきたい」 ”検討”であって必ずしも3度目の住民投票を行うわけではないとしています。 (高見市議)「本当にいい設計図が作れるかもまだ分からない段階ですのでプロジェクトの立ち上げが、即住民投票に進んでいくわけではない」
都構想で思い起こされるのが、維新の看板政策として当時の橋下徹市長が挑んだ2015年。 (橋下市長(当時))「叩き潰すといってこっちが叩きつぶされたんですから負けたということです。終わったということです」 住民投票の結果、わずかに反対が上回り否決されました。橋下氏はその後、市長の任期とともに政治家を引退することとなりました。
5年後の2020年に行われた2度目の住民投票でも結果は変わらず否決。 (松井一郎代表(当時))「大阪市を廃止して特別区に作り替えるこの構想は終了しました」 (吉村代表代行(当時))「僕自身が(今後)大阪都構想に政治家として挑戦することはありません」 その後は、都構想への再挑戦を否定し続けてきましたが、今年11月、大阪維新の会の代表に再選すると、改めて考えるという意向を示しました。 (吉村代表)「いわゆる大阪都構想の案についてもう一度大阪維新の会の皆さんと一緒に考えたいと思っています」
3度目の「都構想」に自民公明は冷ややか 「好きにやってください」
吉村代表がこのタイミングで都構想を持ち出した背景には、維新党内の事情があるようです。党をまとめる目標として「都構想」が必要という見方があります。 (維新の国会議員)「今は(党に)目標がない。目指すものがなかったら党のまとまりがなくなってくるから」 (Q.その中でなぜ都構想?) (維新議員)「ほかにないんやろ」 (自民党府議)「作り直したって案の根っこの部分は変わらないと思う。選挙のネタでしかないから冷めて見ている」 (公明党大阪市議団 杉田忠裕幹事長)「2回も否決されたんやからまだやるんですかという感じ。真っ向から反対です。好きにやってくださいという感じ」