社会性のある子どもに育てたいなら…集団生活よりも重要視するべき「意外な時間」
「一人時間」を律する力を鍛える
一人でお留守番ができるようになったら、親が不在であっても子どもに役割を任せ、家庭という「社会」に参加してもらうようにしましょう。 与える役割は、子どもができることであれば何でもいいのですが、「それが遂行されなければ家族全員が困るような、生活する上で外せない作業」がおすすめです。例えば親が帰ってくる前にお米を研いで炊飯ボタンを押しておく、お風呂を洗って浴槽にお湯をためておく、などです。 子どもが午後3時半に学校から帰宅して、親が仕事から戻ってくるのが夜7時だとしましょう。3時間半の一人時間の間、ゲームをしたり漫画を読んだりするのは自由ですが、家庭で任されている「ご飯を炊く」「お風呂にお湯をためる」だけは絶対です。 よく、学童にお子さんを通わせている親御さんで「学童にいる間に宿題を終わらせるように口を酸っぱくして言っているのに、一向にやってこないんです。だから夜7時に迎えにいって帰宅したら、まず大急ぎで宿題をやらせています」などと話す方がいますが、宿題は家の「生活」とは一切関係ないので、やってもやらなくても、どちらでも構いません。 しかし、約束の時間までに頼んだ家事が行われていなかった場合、それを親御さんが慌てて代わってやるのはNGです。その日のご飯はなし、お風呂には入らずシャワーで済ませなければならない、ということを身をもって体験することで、「好きなことをしたい」「ダラダラ過ごしたい」という欲求に打ち克ち、自分を律する能力を培うことができるようになります。 子どもなので初めは当然失敗しますし、それで生活が回らない日もありますが、そこは親も痛み分けをする必要があります。しかし、それを経て子ども自身で生活を回すことができるようになれば、親は本当にラクになるものです。家庭生活への参画によって養われる「自律」こそ、社会に出ていく上で真に必要な力ではないでしょうか。 【自分の意図しない集団生活で、社会性は身につかない。自分で時間配分をしながら放課後を過ごすことで、将来に必要な自律心が育つ】
with online