【日本市況】株式続落、米雇用統計前に長期金利は一段高-円も軟調
(ブルームバーグ): 10日の日本市場では株式が3日続落。中国事業への懸念が再燃したファーストリテイリングのほか、年初から上昇が続いた銀行株が売られて相場を押し下げた。
日本時間夜に米国の雇用統計発表を控えて投資家の様子見姿勢が強まる中、債券は売りが優勢だった。長期金利は1.195%まで上昇し、2011年5月以来の高水準を更新した。円は1ドル=158円台前半で軟調に推移している。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、日本株は今年度の企業業績が振るわないことが重しになっているとし、下旬からの決算発表で見通しの上方修正が出てくるかが今後の焦点だと話す。米国で緩やかな雇用減速が確認され、利下げ期待が続くことが株式市場としては望ましいと述べた。
ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、昨年12月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比16万5000人増(中央値)となり、11月の22万7000人増から伸びが鈍る見通しだ。
株式
東京株式相場は続落。ファストリのほか、銀行や証券といった金融株の下げが目立った。自動車や医薬品を含め、東証33業種のうち29業種が下落した。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは銀行株の売りについて、日本銀行が9日に開いた支店長会議を受け、一部で「1月利上げの可能性がなくなった」との連想が働いていると話す。年明けから買われてきたため、利益確定売りも出やすいと指摘した。
セブン&アイ・ホールディングス株は4.9%高で取引を終えた。創業家による経営陣が参加する買収(MBO)計画を巡り、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントが出資を検討していることが分かったとブルームバーグが報じた。
債券
債券相場は下落。米雇用統計や連休明け14日に行われる日銀の氷見野良三副総裁の講演など重要イベントを控え様子見姿勢が強まる中、取引終了にかけて先物主導で下げ幅を拡大した。