【高校サッカー選手権】東福岡、3年ぶりの冬の全国まではあと2つ。九州国際大付に4発快勝
10月26日、第103回全国高校サッカー選手権福岡予選2次予選準々決勝が春日公園球技場で行われ、第2試合で九州国際大学付属高等学校(以下、九国大付)と東福岡高等学校が対戦。静かな立ち上がりも東福岡が11分に先制すると、攻めては4点を奪い、守っては九州国際大付のシュートを3本に抑えた東福岡が順調に準決勝進出を果たした。 【フォトギャラリー】 九州国際大付 vs 東福岡 東福岡強し。そんな印象を与える試合だった。 全国高校サッカー選手権大会での3回の優勝をはじめ、全国大会の常連とも言える東福岡は言わずと知られた強豪校。そんな東福岡も、過去2年間は飯塚高校に決勝で敗れて選手権への出場を逃し、今夏の全国高校総合体育大会福岡県予選では準決勝で福大若葉の前に敗れて出場権を手にいれられなかった。だからこそ今大会でかならず優勝して全国への切符を掴むという気持ちは強かったはずだ。そして、それを結果と内容で示した。 試合は静かな立ち上がり。ボールを保持するのは九国大付。東福岡陣内での展開が続く。しかし、九国大付が主導権を握っていたかと言えばそうではない。キャプテンの赤金翔(3年)を中心に最終ラインでボールを回しながら隙を窺う九国大付に対して、東福岡は堅固な守備ブロックを敷いて待ち受ける。九国大付はボールを前に入れることができずに持たされる状態が続いていた。 唯一のチャンスらしいチャンスと言えば、ロングスローのこぼれ球を平田豊喜輝(3年)がループ気味に狙ったシュートだけ。そして、そのゴールキックから東福岡が鮮やかな先制点を奪う。ゆったりとしたリズムでボールを繋いで体勢を整えると、自陣右サイドから大坪聖央(3年)が大きくサイドチェンジ。相手陣内左サイドの深い位置に構える神渡寿一(3年)へと渡る。そして中央に走りこんだ伊波樹生(3年)が神渡のクロスに合わせて先制点を奪う。追加点は24分。右からのCKに頭一つ抜け出した大坪聖央(3年)がヘディングでゴールネットを揺らした。 特記するようなスーパープレーがあるわけではない。目を引くような個人技を見せるわけでもない。けれども、当たり前のことを当たり前にこなしてチャンスを作り、それをゴールに結びつけ、そして九国大付にはチャンスを与えない。決して派手には見えないが、だからこそ東福岡の強さが強く印象に残る。 後半も九国大付は流れを変えることができない。そして60分、東福岡は伊波樹生(3年)が3点目を奪うと、ここからは高い位置からの守備に変更。ボールを奪われても素早く攻守を入れ替えて即時奪回。九国大府を自陣に押し込んだまま試合を進める。そして64分、西田煌(2年)のマイナスのクロスに佐藤宏燿(3年)が左足で合わせてゴールネットを揺らした。 内容・結果ともに文句なし。東福岡はシード校としての初戦をふさわしい戦いで終えた。3年ぶりの全国大会の舞台まではあと2つ。そのスタートは順調に切れたようだ。 (文・写真=中倉一志)