大きなスイングアークでも飛距離と正確性を両立 母からの教え「フィニッシュまで振り切る練習」 「日本女子OPゴルフ」優勝、竹田麗央
【勝者のワザ】 日本女子プロに続いて日本女子オープンも制した。竹田麗央が国内公式戦を連勝し、今季7勝目を挙げた。強い。 竹田の最大の武器は飛距離と、そのショット精度の高さにある。大きく、高いトップから、これまた大きく高いフィニッシュまで迷いなく振り切るスイングは、スケールが大きく、完成度も高い。 飛ばし屋には「飛ぶけど、曲がる」とか「当たればすごいけど、どこに飛んでいくかわからな」といった問題をかかえているタイプが少なくない。そこで、自分なりに研究して、大きなスイングアークを捨ててコンパクトに修正してしまうことが多くなる。飛ばしよりも、コントロールを重視してスコアメークをしていこうとするタイプである。竹田も、その道に踏み出そうとした時期があるという。そのときプロである母親の哲子さんから教えられたことがあった。 「迷ったり、スイングに違和感を覚えたら、とにかく、フィニッシュまで振り切る練習をしなさい。それで自分のリズムやテンポを整えていくこと。自分の持ち味を捨てるような練習は、練習とはいえない」 そこからは迷わなくなった。大きなスイングアークは、確かに自分のテンポやリズムを整える調整にもなる。かつてはスイング作り、修正に竹ぼうきで素振り練習をしたベテランもいた。空気抵抗が強く、それで振り切ろうとしたら、自然と大きなスイングアークになっていく。竹ぼうきではなく、ヘッド部が羽根になっている素振り用練習器具もあるから、それを利用することもできる。 もうひとつ効果的な練習方法を紹介しよう。それは、フィニッシュで3秒間止まっておくというもの。リズム、テンポに加えて、もうひとつ大切なことがある。バランスである。素振りでもボール打ちでも、ぐらついたり、足が乱れないように、しっかりとフィニッシュで止まっていられるような練習を重ねると、コントロール精度が高くなってくる。竹田麗央のような大きなスイングアークで飛ばすドライバーショットを目指そう。 ■竹田麗央(たけだ・りお) 2003年4月2日生まれ、21歳。熊本・合志(こうし)市出身。プロゴルファーの母・哲子(さとこ)さん(56)の影響で6歳からゴルフを始める。熊本国府高1年時の19年「九州ジュニア」優勝。21年11月のプロテストに合格し、昨季ポイントランク23位で初シードを獲得。叔母は1993、94年賞金女王の平瀬真由美。ツアー通算7勝。166センチ。