森繁和さん「連れてきて胴上げしろ」外国人選手にまさかの指令 白井文吾・中日元オーナー”胴上げ”の裏側語り偲ぶ
中日新聞社顧問・名誉会長で中日ドラゴンズ元オーナーの白井文吾さんの訃報に、落合監督時代は投手コーチやヘッドコーチと支え、2017年と18年は中日監督を務めた森繁和さん(69)は4日、「今日の朝、聞きました。お世話になりました。感謝しています。ありがとうございました」と旅立った故人に感謝の気持ちを語った。 森さんは野球日本代表「侍ジャパン」の宮崎合宿にテレビの仕事で訪れ、そこで本紙の取材に対応。落合監督時代の2004年にリーグ優勝をした時に白井さんも胴上げされたが、仕掛け人は森さんだったという。 「あの時、オーナーがあそこにいるから連れてきて胴上げしろって、外国人に言った記憶がある。俺が『行け』って言ったらみんながついていって、オーナーは『えー』って言ったんだけど、あんなでかいやつらに囲まれて胴上げされてね。納会とかの時に、胴上げのことをうれしそうに言ってくれて、あの時、胴上げして良かったなと思います」。最初は胴上げを拒んだ白井さんも、アレックス、バルデスら屈強な外国人に囲まれて抵抗できず、胴上げされた。結果的に喜んでくれたことは、森さんにとってもいい思い出だったようだ。
また、自身が監督を務めた17年のことも印象深いという。谷繁監督が休養し、監督代行を務めた16年限りで辞めるつもりだったが、白井さんに監督就任を要請された。「あの時はちょうど娘のことがあって」。長女の矢野麗華さんが乳がんを患っており、就任をちゅうちょしたが、麗華さんも後押ししてくれ、監督を引き受けた。だが17年8月に麗華さんは35歳で他界。告別式に参列した白井さんから「『悪かった。(病気を)知らずに無理やりやらせて』って言われたことがすごく印象に残っています」と振り返りながら、白井さんをしのんだ。
中日スポーツ