昭和ノスタルジーだけじゃない! 「ドライブイン」がサービスエリアのフードコートを凌駕する根本理由
コスト重視!FCが提供する価値
第三の重要な点は、「地域との結びつきの深さ」だ。 ドライブインは、個人経営の店舗として地域に根ざしているため、地域の食文化を自然に反映している。たとえメニューがシンプルでも、地元の常連客との日々の交流を通じて得られる情報は、観光客にとっても貴重な価値となる。 これに対して、FCは全国チェーンが多く、標準化された食材と調理法に縛られている。近年は地域の特産品を取り入れたメニューも見られるが、それはあくまで 「企画商品」 に過ぎない。どこに行っても似たようなメニューが並び、地域色が感じにくいのは、地域との深いつながりが欠けているからだ。つまり、ドライブインは個人経営ならではの地域の魅力を感じる場所として機能しており、この点でFCには追いつけない。 しかし、FCにもドライブインにはない独自の強みがある。 まず、高速道路利用者にとって圧倒的な利便性が挙げられる。高速道路を降りることなく、すぐにアクセスできる立地は、長距離運転のドライバーにとって非常に魅力的だ。また、豊富な駐車スペースがあり、時間がない場合や長時間の滞在を避けたいときにも最適な選択肢となる。 次に、コストパフォーマンスのよさがある。ファーストフードやセットメニューを中心に、ドライブインよりも手頃な価格で提供されており、特に家族連れや団体客など、コストを重視する利用者から支持を集めている。 さらに、複数の機能を1か所に集めている点も優れた特徴だ。食事スペースに加えて、休憩所やコンビニ、ショップなども揃っており、ドライブ中のさまざまなニーズを一度の立ち寄りで満たすことができるため、効率的な休憩が可能だ。これらの強みは、特に ・長距離を移動するドライバー ・効率的な休憩を重視するドライバー のニーズに応え、FCならではの価値となっている。 これらの強みが現代のドライバーの特定のニーズには応えているものの、それでもドライブインの強みには及ばないのではないか。その証拠として、新たに展開される意欲的なドライブインの事例を見てみよう。