松坂大輔は成功するのか ── 過去に凱旋帰国した先発投手はどうだった?
9年ぶりの日本球界復帰を決めたソフトバンクの背番号「18」、松坂大輔(34)。推定年俸は、3年12億円とも、インセンティブを加えて20億円とも言われる超大型契約だ。 ファンの間では、その金額に見合った活躍ができるのかどうかの議論が巻き起こっている。その議論が起きること自体、松坂の変わらぬ存在感を示しているのだが、不安要素はなくはない。2006年のオフに西武からポスティングで年俸も含めて総額80億円の巨額契約でレッドソックスへ移籍。その初年度にワールドシリーズのチャンピオンになり、2008年には、18勝3敗の素晴らしい成績を残したが、WBCに参加した2009年は、内転筋を痛めたことから不振に陥って、わずか4勝。2010年には9勝6敗で復活の兆しを見せたが、翌年、肘に異常が発生して6月にトミー・ジョン手術を受けた。 そこから大きなブランクを作り、インディアンズを経て今季は、メッツで34試合に登板して3勝3敗、1セーブ、防御率3.89の成績。先発は9試合、残りは中継ぎ、救援登板で、日本球界復帰に懐疑的な声も多い。本人も入団会見で、その声を振り払うかのように「不安に思われるのは当然。15年のシーズンが終わったころにはその心配はいらなかったと思ってもらえるように頑張りたい」と発言した。 果たして松坂の凱旋は成功するのだろうか。 2006年のWBCでバッテリーを組んだ元千葉ロッテの里崎智也氏は、こんな見方をしている。 「成功とは何を指すのか。若い全盛期に戻ることを復活、成功と言うなら、それは難しいかもしれないが、2桁勝利を成功、復活と定義するならば、十分に可能だと思う。メジャーの終盤は、変化球を主体としたスタイルに変えていたが、ベテランの経験と技術を生かしたピッチングで6回を3失点にまとめれば、ソフトバンクのブルペンや、打線の整備された戦力を考えると、2桁は十分に期待できると思う」