「有権者が試される選挙」「若者の声聞いて」 東京都知事選告示で都民の声さまざま
首都・東京のかじ取り役を担う都知事選が20日、告示された。史上最多の56人が立候補した異例の選挙戦。急速に進む少子化や防災への対応などが争点となる中、1千万人を超える有権者は、候補者に何を望むのか。来月7日の「七夕決戦」に向け、17日間の舌戦がスタートした。 【表でみる】東京都知事選の立候補者一覧 「立候補者が多いことはその人の自由だが、売名行為などはどうかと思う」。千代田区の自営業、関矢奈々子さん(68)は、自己アピールが目的ともとれる候補者も目につく状況について苦言を呈し、「東京都は国の真ん中。有権者が試されていると感じる」と語った。 世田谷区の会社員、天田菜々恵さん(24)も「こんな形で有名になっても好印象は持てない。立候補するからには本気で都のことを考え、都知事になったらどうするか考えてほしい」としつつ、「物価高と低賃金で苦しい生活をしている若者に、もっと目を向けてほしい。立候補者も年代が上の方が多く、今困っている若者の声が届きにくいように感じる」と訴えた。 子育て政策に関心がある中野区の女性会社員(25)は「候補者が多くて比較しづらい」と苦笑し、「都政の課題は多いので、各候補者はきちんと政策を伝えてほしい」と求めた。2人の子供を育てる中央区の自営業の男性(43)は「知名度で判断するしかないと思う」と話した。 急激な円安に伴う物価高騰など、生活への不安は強い。台東区の主婦(76)は「一番(の関心事)は物価高。年金受給者は月に満額をもらっていても大変だということが、候補者は分かっていないと思う」と、不安を口にした。 新卒1年目という台東区の不動産会社員の男性(23)は「税金が思ったよりかかるな、と感じる。(候補者は)パッと見てよくわからない人たちばかりだが、税金をよりよく使ってくれる人に任せたい」。墨田区の接客業の50代女性は「都民目線、国民目線で政策をやってほしい」と、注文をつけた。