<OTOTEN>ビクター“8Kシアター”で新フラグシップ登場/ヤマハスピーカーによる7.2.4chサラウンド
日本オーディオ協会による国内最大級のオーディオとホームシアターの祭典「OTOTEN2024」が、6月22日・23日の2日間にわたり開催される。ここではガラス棟5階・G502のヤマハミュージックジャパン、G510のJVCケンウッドの出展内容をレポートする。 ヤマハは「NS-800A」をメインに据えた11.2chデモを実施 ■JVCケンウッドは発売目前のビクター8Kプロジェクターをデモ JVCケンウッドはビクターブランドから、6月29日の発売を目前に控える8K対応レーザープロジェクター「DLA-V900R」「DLA-V800R」のお披露目デモンストレーションを中心に展示をおこなう。 「D-ILA 8Kシアター」では、同ブランドのDLA-V900R/V800Rと、ヤマハのAVアンプ「RX-A8A」、スピーカー“NS-700”シリーズおよび「NS-B330」による、180インチ・スクリーンと5.1.4chサラウンドのホームシアターを体験できる。 DLA-V900Rは、第三世代0.69型ネイティブ4K「D-ILA」デバイスを搭載した新たなフラグシップモデル。前世代から約1.5倍という150,000:1のネイティブコントランストを実現したほか、明るさも3,300ANSIルーメンに向上している。 2モデルともにデバイスの設計・製造から、筐体の組み立てに至るまで、すべて横須賀の工場でおこなっているという国内生産モデル。品質管理・保証についても、フラグシップらしくこだわりを盛り込んだという。 デモでは8K/4K紀行映像などを体験できるほか、イベント限定の特別プログラム「『8K鑑定団』15周年記念企画 in OTOTEN」も実施。オーディオ・ビジュアル評論家・麻倉怜士氏による講演と、映画コンテンツの視聴イベントを体験できる。各日2回(計4回)を予定しており、当日受付以外に席数限定で事前予約も可能。 担当者は「まだポテンシャルを秘めたモデルですので、本イベントではお披露目の場としてお楽しみいただけたら幸いです」とコメント。後日視聴室での体験会も予定しているとのこと。 同ブースにて展示されるノイズキャンセリング機能つき完全ワイヤレスイヤホン「HA-FX550T」は、新開発のシルクレイヤーカーボンドライバーを搭載し、同社擁するビクタースタジオのエンジニアが音質を監修した「Tuned by Victor Studio」モデル。LDAC対応でハイレゾハイレゾオーディオワイヤレスロゴを取得、エンジニアチューニングである「プロフェッショナルモード」を含む多種の音質モードを備えるなど、さまざまな面から音質へアプローチした。 会場では音源も用意されているため、手ぶらで立ち寄っても試聴ができる。ドライバーは11mmと大口径ながら、手に取ってみると本体はかなりのコンパクトサイズ。デザインもより多くの耳の形にフィットするハウジングおよびノズルデザインを追求し、装着感の向上を図ったという。 また、ワイヤレススピーカーはウッドコーンドライバーを採用した「EX-D6」「EX-DM10」をはじめ、外装の素材に天然木を用いた「SP-WM01BT」「SP-WS02BT」も展示。それぞれの試聴ブースのほか、SP-WM01BT/02BTは1台でのモノラル再生、2台でのステレオ再生の聴感の違いも体験できる。 ほかアニメーション音響監督の三間雅文氏による音質監修を経た、"声"を楽しむオーディオコンポ「EX-DUB1」も。会場では同氏が手がけたアニメ作品を、実際にサウンドモードを切り替えながら視聴できる。 ■ヤマハのスピーカーとAVアンプによる11.2chサラウンドシステム ヤマハによる展示ブースでは、同社のブックシェルフスピーカー「NS-800A」および「NS-600A」で構築した11.2(7.2.4)chサラウンドを、AVアンプ「RX-A8A」で鳴らすホームシアターを体験できる。 スピーカーは2モデルとも独自の「ハーモニアスダイアフラム」をすべてのドライバーに採用し、音色の統一を図った2ウェイタイプ。イベントでは、この音色の一体感と、ブックシェルフならではの定位感のよさ、そしてサラウンドを同シリーズで統一するメリットを活かして、スピーカーの存在感がなくなり音に包み込まれるような音の体験を目指したという。 フロントLRおよびセンター、サラウンドスピーカーはNS-800A、トップおよびサラウンドバックスピーカーはNS-600A、サブウーファーは「NS-SW1000」を採用してセッティングしている。 デモでは2chから立体音響まで多様に体験できる。とくにドルビーアトモス音源は、あちこちから音が鳴り、より没入感を高める楽曲を選定したとのこと。ほか映像コンテンツも用意されているという。担当者はスピーカーの聴き疲れしにくい透き通って自然なサウンドと、広さのあるイベントブースで味わえる音場感を体験してほしいとアピールした。 またシステムの中核を担うAVアンプは、同社“AVENTAGE”シリーズからフラグシップモデルであるRX-A8Aを採用。発売当時から注目を集めた独自のサラウンド機能「SURROUND:AI」は、今なお高い評価を得ているという。音場創生技術シネマDSPとAIを組み合わせることで、コンテンツや視聴環境に応じた音場効果を付与する。担当者は「とくに映像コンテンツでは、作品のシーンに合わせた音場が重要になりますので、注目してみてください」とコメント。 サウンドバーはワンボディタイプの「SR-X40A」と、サブウーファーが付属する「SR-B40A」を展示。SR-X40Aはテレビとの組み合わせでデモもおこなわれているほか、上述のシネマDSPを活用したワイヤレスヘッドホン「YH-L700A」も体験できる。
編集部:松原ひな子