「微力だけど無力じゃない」 オスロで手応え 高校生平和大使が会見
ノルウェー・オスロでノーベル平和賞授賞式に出席した高校生平和大使4人が帰国し、東京都内で14日会見した。平和大使発足以来のスローガン「微力だけど無力じゃない」が伝わった手応えを得て、今後の活動への意欲が高まったと語った。 【写真】前日夜にオスロから帰国し、記者会見に臨む高校生平和大使ら=2024年12月14日午前10時42分、東京都千代田区内幸町2丁目の日本プレスセンター、花房吾早子撮影 大使はオスロに5日間滞在。授賞式や晩餐(ばんさん)会に出たほか、被爆者の体験や核兵器廃絶の必要性を高校や大学などで話した。人権や民主主義の観点から平和教育について議論し、交流を深めた場面もあったという。 長崎県立長崎西高2年の大原悠佳さん(17)は「被爆者の方の声は、世界のどこであっても誰の心も動かすもの」と実感。「だからこそ多くの人たちに届けていく必要がある」と話す。 熊本市の九州学院高2年の島津陽奈さん(16)は「被爆者の方の思いを100%届けることは難しいかもしれない。でも、証言を聞ける『最後の世代』として、継続して伝えよう、訴えようと改めて感じた」という。 広島市立基町高校2年の甲斐なつきさん(17)は、政策提言の活動をする若者団体に触発された。「若い人たちが政治に関わる機会を増やせば、より未来に責任を持てる」。核兵器廃絶に向けた行動について、地元で討論会などを主催したいとの志を持った。 来年は被爆80年。長崎県立長崎東高2年の津田凜(りん)さん(16)は「原爆投下から99年たとうが100年たとうが、変わらない。被爆者の方がつないできた活動を残し、伝える場をこれからも大切にしたい」と語った。(花房吾早子)
朝日新聞社