事件後、被害者宅を訪問 容疑者、証拠隠滅図ったか 踏切の男性死亡事件・警視庁
東京都板橋区の踏切で昨年12月、塗装会社元社員の高野修さん=当時(56)=を自殺に見せ掛け殺害したとして同社社員ら4人が逮捕された事件で、同社社員島畑明仁容疑者(34)が事件直後、高野さん宅を訪れていたことが9日、捜査関係者への取材で分かった。 【写真】殺害された高野修さんが住んでいた東京都内のアパート 警視庁捜査1課は、何らかの証拠隠滅を図った可能性があるとみて調べる。 捜査関係者によると、島畑容疑者は昨年12月2日午後10時ごろ、同社社長佐々木学容疑者(39)ら3人と共に、会社の借り上げ寮に暮らす高野さんを訪問。約1時間半後、自身の車で連れ出した。同3日午前0時ごろ、高野さんが踏切内で電車にはねられた直後、再び高野さんの部屋に1人で戻った。 島畑容疑者は逮捕前の任意の調べに対し、事件後に高野さん宅に戻った理由について「片付けのため」と説明した。「事件直前、高野さんに会社の寮から出ていくよう伝え、鍵を返却させていた」という趣旨の話もしたという。 島畑容疑者は高野さんと車で踏切に向かう前、別の車で同行した野崎俊太容疑者(39)と共に、荒川に架かる笹目橋に向かった。野崎容疑者のスマートフォンには同容疑者が「橋は嫌だから踏切に行きたいんだって」とつぶやく音声データが残されており、当初は橋から川に飛び込ませようとしていたとみられる。 高野さんは佐々木容疑者らから3年以上にわたり暴行や脅迫を受けていたとみられ、同課は殺害に至る経緯を調べている。