年度上半期「後継者難」倒産220件 前年同期から微減も3年連続200件台に
2024年度上半期(4-9月)の「後継者難」倒産
2024年度上半期(4-9月)の後継者不在に起因する「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は、220件(前年同期比0.9%減)で、前年同期から微減したが、3年連続で200件を上回った。 内訳は、代表者の「死亡」が119件(同22.6%増)、次いで、「体調不良」が77件(同12.5%減)で、この2要因で196件(同5.9%増)に達し、全体の約9割(89.0%)に達した。中小企業では後継者不在のリスクが大きく、代表者の不測の事態に備えた事前準備が不可欠だ。 産業別は、最多は建設業の54件(前年同期比5.2%減)だった。増加率は、運輸業が前年同期比160.0%増(2024年度上半期13件、前年同期5件)と突出した。2024年4月に時間外労働時間の上限規制が適用された建設業や運輸業では、後継者不在も経営上のリスクになっている。 資本金別は、1千万円未満が137件で6割(構成比62.2%)を超えた。 2023年の全国の社長の平均年齢は63.76歳(前年63.02歳)で、2009年以降で最高を更新した。一方、2023年から2024年に代表者が交代した6万6,862社は、代表者の交代前の平均年齢が71.1歳が、交代後は54.4歳と一気に16.7歳の若返りが進んだ。 代表者が高齢の企業ほど新たな事業への進出や投資には消極的になりやすい。コロナ禍を経て経済環境が大きく変化し、借入金の金利も上昇するなど、これまでの低金利下でのビジネスモデルは通用しなくなっている。このため、将来への事業継続を見据えた事業承継、後継者育成が重要な位置付けになってきている。 ※本調査は「人手不足」関連倒産(後継者難・求人難・従業員退職・人件費高騰)から、2024年度上半期(4-9月)の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)を抽出し、分析した。