丸亀製麺、香川の離島に研修施設 観光促進、移住する社員も
人口150人に満たない香川県丸亀市の離島「広島」に、讃岐うどん専門店「丸亀製麺」などを運営するトリドールホールディングス(本社・東京都)が社員向けの研修施設「心の本店」を開設した。同島は広島県と区別するために地元などでは「さぬき広島」と呼ばれており、近年は官民連携で観光や移住促進に力を入れている。 27日に行われた「心の本店」オープニングセレモニーには丸亀市の松永恭二市長や、市の文化観光大使を務める同社の粟田貴也社長らが参加した。粟田社長は島の活性化にも関わっており、特に力を入れているのが島産小麦などを使ったうどん作りだ。 セレモニー後に提供されたうどんは、同社の社員でさぬき広島へ移住した木村成克さん(46)らが栽培した小麦を使用した。木村さんらは2022年11月に小麦栽培を開始し、24年6月には約150キロを収穫した。また、うどん作りにかかせない塩も瀬戸内の海水で作った。同社によると「心の本店」は今後、社員や島民、観光客の交流の場としても活用していく予定という。 一方、市は島外から移住する子育て世帯の引っ越し費用の補助や、島を行き来する船の運賃を毎月20日は無料にするなどさまざまな施策を行っている。25年春には、子どもがいる2世帯が新たに移住し、休校していた学校が16年ぶりに再開する。松永市長は「島内から見られる空と海の『ブルーの景色』は素晴らしい。多くの人に、島の良さに触れてもらいたい」と呼びかける。【川原聖史】