通常国会が事実上の閉幕 先送りにされた“4つの課題”「停滞する日本を象徴」との声も
6月23日に会期末を迎える通常国会は事実上閉幕した。およそ5か月にわたる国会は、自民党の派閥の裏金事件を受け「政治改革国会」とも言われたが、多くの時間が「政治と金」問題に費やされることとなった。岸田総理も自ら政治倫理審査会に出席するなど、この問題の対応に追われる日々が続き、幾つもの課題が”先送り”される結果となったのは停滞する日本を象徴するようにも映るー 【写真を見る】通常国会が事実上の閉幕 先送りにされた“4つの課題”「停滞する日本を象徴」との声も ■先送りされた課題(1)政治資金規正法 今国会、最大の焦点となった改正政治資金規正法は6月19日に成立した。政治家の責任強化や外部監査の強化など、再発防止策や政治資金の透明性の向上に向けた内容が盛り込まれた。ただ、野党からは「抜け道だらけのザル法だ」などとの声が相次いでいる。 政党から議員個人に支給される「政策活動費」については、10年後に領収書などを公開することとされたが、具体的な内容については「早期に検討が加えられ、結論を得る」と先送りされた。第三者機関の設置も明記されたが、こちらも具体的な内容については「検討」のままとなった。附則には「検討」として残る物が6つ記され、実効性のある改正法となったのか疑問も残った。 ■先送りされた課題(2)調査研究広報滞在費(旧文通費) これまでも度々、議論されてきたものの結論を得られてこなかったのが、国会議員に毎月100万円支給される調査研究広報滞在費、いわゆる「旧文通費」改革だ。 岸田総理は今年4月「この国会で結論を出せるよう各党で議論を行う」と意欲を見せ、5月末には、”旧文通費改革が政治資金規正法改正案に賛成する条件”とする日本維新の会と「使途の公開と残金返納を義務づける立法措置を講ずる」との合意文書に署名した。 しかし、その後議論に進展は見られず、法改正は先送りされた。維新は「党首間の約束が反故にされた」と反発し、参議院では政治資金規正法の改正案に反対するなどドタバタ劇が展開された。 衆議院議院運営委員会の自民党・山口俊一委員長は「政治資金規正法の改正を最優先にやらざるを得なかったので、こっち(旧文通費)にもしわ寄せがきた」と話す。