「今までの仲を壊したくない…」 交際に踏み出せなかった33歳が“逆プロポーズ”したワケ
まさかの“逆プロポーズ”
そんなつかず離れずの関係が一変したのは昨年10月。まなみさんがコロナに罹患(りかん)してしまったのだ。 その時、建登さんが食べやすいゼリーやスポーツドリンクなどを持ってきて「しっかり寝ろよ」と励ましてくれた。隔離期間も明け、体の具合が完調に戻ろうという直前、「外に出たい!」と切望する彼女をオープンカーで夜のドライブに連れて行ってもくれた。 まなみさんの彼を見る目が変わってきた。 年齢的に「結婚について考えていたのもあった」というまなみさん。信頼できる彼との仲を壊したくない思いはなおあった中で、11月末、意を決して告げた。 「結婚を前提にお付き合いしませんか」 まさに逆プロポーズ。それまでの二人の中途半端な関係にピリオドを打つ提案だった。 以前に建登さんは「好きだよ」という気持ちを伝えたことがある。脈がないと考え、その気持ちを封印していただけに驚いた。だが、同じ価値観を持つ彼女との関係を進展させたいとの気持ちが優った。かくて「はい」と応じたのだった。
新たな命
今年3月に同居を始めた。5月末には指輪を一緒に買いに行き、両家の顔合わせを済ませてから7月末に入籍。8月に入り、新たな命を授かったことも判明し、部屋数の多い新居への引っ越しを計画中だ。 交際前のこと、車好きの二人は「将来はガレージ付きの家に住みたいね」と同じ夢を語り合っていた。今はそれぞれがロードスターを所有しているが、何しろ2人乗りの車だ。そこで子育てを考え、新たにミニバンを手に入れた。とはいえ子どもが成長した暁には、ロードスター2台を連ねてのドライブが実現することもありそうだ。 互いを互いに応援する二人。別々の車に乗ったとて、目的地は一緒である。
「週刊新潮」2024年12月5日号 掲載
新潮社