本拠地・大阪の地盤揺らぐ維新 府内で「全勝」も募る強い危機感
日本維新の会は31日、常任役員会を開き、代表選を実施するべきだとの見解で一致した。今後、党所属の議員や首長らに意向を諮る。大阪の地方議員には、代表選で馬場伸幸代表ら執行部の刷新を求める声が強い。衆院選では大阪の小選挙区で全勝したはずだが、なぜ地方議員に危機感が高まっているのか。 「大阪では何とか踏みとどまることができたが、比例(の得票)も減っている。全国的に見れば完敗の状態。野党一人負けの状態だ」。地域政党・大阪維新の会の吉村洋文代表(府知事)は同日、府庁で記者団にこう語った。 維新は衆院選で初めて府内全19小選挙区で完勝したものの、党全体では164人の候補のうち当選者は38人にとどまり、公示前から6議席を減らす「惨敗」(大阪維新幹部)の結果に終わった。 本拠地の大阪では強さを見せたが、実態は盤石な戦いぶりとはほど遠かった。 大阪での比例得票は2021年の前回衆院選から約56万票減らしており、裏金問題に揺れた自民党の失速に助けられたとの見方が根強い。大阪維新幹部は「『消極的支持』によって救われただけだ」と危機感をあらわにする。
朝日新聞社