ドジャースのロバーツ監督（左、カメラ・安藤　宏太）

◆米大リーグ　マーリンズ―ドジャース（１９日、米フロリダ州マイアミ＝ローンデポパーク） 　ドジャース・大谷翔平投手（３０）が１９日（日本時間２０日午前５時４０分開始予定）、敵地・マーリンズ戦のスタメンに「１番・指名打者」で名を連ねた。１７日（同１８日）に４８号本塁打を放ち、１８日（同１９日）に二盗を決めてここまで「４８発＆４９盗塁」。勝てば自身初のプレーオフ進出が決まる一戦で、前人未到「５０―５０」に前進することが期待される。 　ロバーツ監督は試合前の取材の中で、大谷の盗塁について言及。スピード感溢れるパワフルな走塁に定評ある大谷だが、これまでのメジャー６年間では、エンゼルス時代の２１年の２６盗塁が自己最多。右肘手術明けで野手に専念した今季は、６月までは、月間１ケタ盗塁だったが、夏場から量産体制に入り、７月は月間１２盗塁、８月は月間１５盗塁と、ペースが驚異的にアップした。 　「どの時点で、そうなったのかは分からない。ただ、後半戦に入って一層、積極性が増した。彼は途中で、彼自身が、とても特別なシーズン（打者専任）を過ごしていることに気がついたんじゃないか。そして、そのスペシャルさに盗塁を加えて、より特別でユニークなものにしようとしているんじゃないかな」とロバーツ監督。別称「ユニコーン」の大谷らしい、唯一無比の挑戦だと解説した。 　進化する大谷。投手を封印した今季は、本塁打での自己最多更新に加えて、盗塁でも新境地を開拓した。２００６年に年間４９盗塁するなど、現役時代２４３盗塁を記録した指揮官は「元々の足の速さもあるが、（彼の最大の長所は）スタートの良さ。元々、それほど盗塁が得意ではなかったし、スタートもそれほど良くはなかった。だが、今、ダグアウトから彼をみていると、スタートが抜群に良くなった。準備や反復練習、相手投手の研究によって培われた。彼は、自分の優れた走力を自覚し、相手を研究し、傾向を学ぶことに好奇心を持ったんだと思う」と、たゆまぬ向上心を称える。 　投手の視点もまた、大谷の強みだ。「盗塁したり、打ったり、それは全て野球につながる。準備と研究は、野球というスポーツの大きな部分を占める。ショーヘイはそれが好きなんだろう」とロバーツ監督。野球に取り組む真摯な姿勢が、大偉業の原点と言えそうだ。