進化するしゃぶしゃぶ食べ放題。王者「しゃぶ葉」に“勝ちたい”有名チェーン店の戦略とは
和食さとの魅力は“豊富すぎる”プランと品数
コースと価格(税別)は、焼肉国産牛スペシャル(4,490円)、焼肉プレミアム(3,490円)、しゃぶしゃぶは、国産牛スペシャル(4,190円)、牛&豚プレミアム(3,190円)、牛&豚スタンダード(2,690円)、厳選豚プレミアム(2,590円)、厳選豚スタンダード(1,990円)となっている。 さとしゃぶのプレミアムコースは、肉と野菜以外も食べ放題で、強みの和食料理で、前菜など酒の肴・唐揚げや天婦羅などの揚げ物・ステーキなど焼き物・サラダ・茶碗蒸し・にぎり寿司・天丼・吸い物・うどん・そば・カレー・丼など、食べられる種類の多さは群を抜いておりお得感がある。 飲み放題の「さとバル」も人気で、自らが取りに行くのは大変だが、自分好みのドリンクに仕上げられるのは嬉しい。デザートはソフトクリームの食べ放題で、自分好みにチョコレートなどをトッピングするお子さんをよく見かける。 これだけ豊富な一品メニューも食べ放題となると、肉の追加量が減り原価高騰に抑止力がかかる。肉は重ねられる皿に何段も盛置きし、追加注文が入るとすぐに提供できるように段取りするのだ。 ただ、一品メニューを作るのに、調理スタッフの手間や負担がかかっては意味がない。原価率をうまく低減させても、その分、人件費がかかっては利益が出ない。 飲食店では、FLコスト(原価+人件費)を60%以内に抑制することが重要になっている。食材の共通化や半加工品をうまく活用し、手間を省きながら簡単に提供できるように仕組化しないといけない。追加品目数を増やし、メニューの魅力度を向上させながら、原価と人件費を低下させているようだ。
コロワイド傘下のレインズが展開する温野菜
焼肉食べ放題「牛角」としゃぶしゃぶ食べ放題「温野菜」を展開するレインズ・インターナショナル。親会社のコロワイドは外食1位を目指し、多業態戦略をM&Aを通じて積極的に展開する勢いある外食企業である。 牛角は店舗数825店舗を展開する世界最大の焼肉チェーンだ。だから、しゃぶしゃぶ食べ放題店を多店舗展開できる基盤と食肉関係の調達力に強みがある。温野菜は現在217店舗(2024年9月時点)で店舗数は業界2位であり、焼肉食べ放題は1位、しゃぶしゃぶ食べ放題は2位と共に店舗数上位である。 現在、レインズは売上970億円、コロワイドグループの中でも売上構成比40.2%、店舗数(約1400店舗)、店舗構成比53%超とグループのコアとなる事業会社だ(2024年3月時点)。 コロワイドは、カテゴリーごとに多業態を展開し、同じ業態でも価格帯ごとに複数のブランドを運営し、リスク低減と収益機会の多様化によるリターンの最大化を目指している。 日常から非日常の食事、若年層からご年配の方といった幅広い客層にフルカバーできるよう適切なブランドポートフォリオの管理を徹底。M&Aの積極活用と人的資本の強化で、いずれは外食売上1位を実現できるよう体制の整備に注力中だ。 その中でも、焼肉としゃぶしゃぶを展開するレインズにかかる期待は大きい。そのしゃぶしゃぶ食べ放題の温野菜は、日々進化しており、今年の忘年会シーズンに向けてより充実させている。 メニューは、お肉・国産野菜・逸品料理など 60種類以上がおかわり自由となっており、お肉に強みがあるだけでなく、祖業は居酒屋だから逸品メニューにも自信があって、しかも食べ放題というのが差別的優位性があるとのことだ。 選べるだしも7種類あって訴求ポイントだ。コースの種類と価格(税別表示)は、温野菜コース(3,480円)がメインで、三元豚コース(3,180円)、タンしゃぶ(3,780円)、黒毛和牛(4,980円)、霜降り黒毛和牛コース(5,980円)となっている。 全コース共通の食べ放題コースとして、前菜(7種類)、逸品料理(6種類)、サラダ(3種類)、麺飯類(8種類)、国産野菜(16種類)、鍋肴(8種類)、デザートは9種類の中から1つ選ぶことになっている。アルコール飲み放題プランも1,480円(税別)とリーズナブルだ。