「障害者スポーツは福祉ではない。競技だ」カンパラプレス・越智貴雄代表
良質なコンテンツ、それしかない。そこだけはブレない。
もっともキャッチーな記事作ったら、アクセス伸びるんじゃないかなと思うには思うんですけど、先日、考えさせられる出来事がありました。 リオパラリンピックの前に、ベルギーのマリーカ・ヴェルヴートという車椅子の選手が「パラリンピックが終わったら安楽死を考えている」という報道が広がったんです。イギリスのタブロイド紙が最初に報道したんですが、それをネットメディアが取り上げて、一気に世界中に広がったんですね。 でも本人はそうは言っていないんです。「安楽死の選択肢もある」と言ったんですね。これが「安楽死」「パラリンピック」という言葉だけが独り歩きして伝わったたんです。選手は「そんなことはない。それは誤報だ」と記者会見を開いたくらいです。それは怖いなと。アクセスを取ろうとすると、極端な例だと思うけど、こういうことが起こってしまいます。 やはり、パラリンピアンならではの面白さを選手と密に話をし、面白さを感じ取ったものを伝えるしかないんじゃないかな。それを記者といっしょにやっていこうと。良質なコンテンツ、それしかないんじゃないかな。そこだけはブレないようにしたいのです。話をしていれば、いい話が引き出せるはず。それだけは信じようと。 ただ、お金がなければ取材を重ねれられません。選手の魅力にフォーカスしながら、カンパラプレスとしての取材をしながら、売上をあげていきながら、投資をしていきたい。その循環ができたら、自分のやりたいことにつながっていくと思います。 まだまだ障害者スポーツは福祉の目で見られています。そういう側面もあるけれど、競技スポーツとしての面白さを伝えて行きたいですね。 (聞き手・奥村倫弘)