「侵入されたら絶対に抵抗しないで」「隣人との友好関係も重要」 千葉県でも相次ぐ強盗 身を守る方法、防犯の専門家に聞く
千葉県など首都圏で、闇バイトで実行役を募ったとみられる住宅強盗事件が相次いでいる。一連の事件は、未明の時間帯に窓ガラスなどを割って複数人で押し入り、住人を拘束したり、暴行を加えたりして金品を奪うといった手口が類似。「連日起きている強盗事件が(自分に)近づいてきているようで怖い」。被害に遭った場所の近くでは不安がる声も聞かれる。千葉日報が公表した「10年間の強盗記事マップ」でも、県内の事件の多さが改めて浮き彫りとなった。強盗からどのように身を守ればいいのか。防犯に詳しい千葉県防犯設備協会の会長、平間義康さんに聞いた。
「気付かれにくい住宅」が危ない
首都圏を中心に相次ぐ強盗事件では、戸建て住宅が狙われる事例が目立っている。千葉県内でも船橋、白井、市川と被害に遭ったのはいずれも戸建て住宅だった。平間さんによると、一連の事件で狙われた住宅の特徴として、周辺に樹木などがあり、人通りが少なく人の目が届きにくい場所が目立つという。「音を出しても近所に聞こえにくく、気付かれにくい場所を狙っているのではないか」と話す。 こうした事件では、敷地や室内に入らせない方法や時間を稼ぐ手段として、音が鳴る防犯砂利や、防犯フィルムをガラスに貼るなどの対策も挙げられている。ただ、今回の「闇バイト」で募ったとみられる住宅強盗事件は手荒な方法が目立ち、時間がかかったとしても周囲に気付かれにくい場所のため、最終的には強引に侵入されてしまうケースも予想されるという。平間さんは「時間を稼げたなら、すぐに通報するのが何よりも大切。寝るときには枕元に携帯電話をそばに置き、異変に気付いたらすぐ110番するのが重要だ」と訴えた。
犯罪者を寄せ付けない地域作りも重要
住宅に侵入された場合はどうしたら良いのか。 「逃げる」選択肢について平間さんは、けがや拘束のリスクを考えるべきと指摘。「高齢者の場合、早く走って逃げて転んでけがをする可能性も考慮に入れる必要がある」。また、「追いつかれて拘束された場合の侵入者側の行動は予測できないが、犯人も逃げる場合と、余計ひどい目に遭う可能性と両方考えられる」と説明する。 仮に逃げる場合には、逃げるための出口の確認をはじめ、服装や靴、携帯電話の準備も大切。「隣人との日頃の友好関係を維持しておくことも重要」という。 住宅内で拘束されてしまった場合などは「身を守るため、絶対に抵抗しない方が良い」と強調する。取られても良い金額を入れた通帳などを用意しておくのも最悪の事態を避ける手段になる。また、こうした事件が相次いでいることを自治会などで共有し、住民が自覚を持って犯罪者を寄せ付けない地域作りも重要だという。