「田舎は給料が安い」と地元を出て大阪で働く息子。地方と大阪の年収の“格差”はどのくらいでしょうか?
近畿地方で労働生産性が最も高い府県は滋賀県
最後に、従業員1人あたりの労働の付加価値を示す、「労働生産性」について解説します。労働生産性は、総生産額を就業者数で割った値で、数値が高い地域ほど、高付加価値の職種に従事している人が多いと考えられます。 内閣府の「県民経済計算」を基に、令和3年度における近畿地方各府県の労働生産性を計算すると、次の通りです。 ・滋賀県:約9.70 ・京都府:約8.37 ・大阪府:約8.24 ・兵庫県:約8.96 ・奈良県:約7.57 ・和歌山県:約8.90 大阪府は約8.24と、2番目に低い数値となっています。このことから、労働生産性の面では、大阪府が特筆して高くはないことが分かるでしょう。 ただし、労働生産性が高くなる要因としては、付加価値の高い職種が多いか、労働者の能力が高いか、あるいはその両方が考えられます。労働生産性が高いからといって、必ずしも高付加価値の職種が集中しているとは限らない点にご注意ください。
大阪府の平均年収は約510万円|近畿地方の他府県とは最大約65万円の差
令和3年における近畿地方の平均年収は、大阪府が511万8600円と最も高く、最も低い奈良県とは64万6800円の差があります。一方、有効求人倍率と労働生産性では大阪府を上回る県もあり、就業のしやすさや労働の効率性においては、他県も引けをとらないようです。 ただし、今回の結果は大阪府と近畿地方の他府県を比較したものです。近畿地方以外の都道県も対象にした場合、地域差の度合いは異なると考えられるでしょう。 出典 政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 一般労働者 都道府県別 表番号sanko1 (参考表)都道府県別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(47都道府県一覧) 厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計):雇用関係指標(年度) 雇用関係指標(年度) 内閣府 県民経済計算(平成23年度-令和3年度)(2008SNA、平成27年基準計数)<47都道府県、5政令指定都市分> 統計表 1. 総括表 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部