【日本ハム】実ったコンバート シーズン2位の立役者となった26歳捕手の活躍「来てくれてありがとう」
2年連続最下位から、今季は2位と大躍進を遂げた日本ハム。その裏には、様々な選手の活躍があった。今回はその中で新たなポジションに挑戦しレギュラー目前まで迫った郡司裕也の活躍を振り返る。 【動画】郡司は25日の試合で12号ソロを放つなど、打撃でも存在感を示している 昨年に中日からトレードで移籍。移籍前から非凡な打撃センスは知られていた。その郡司はサードを守る清宮幸太郎のキャンプイン直前の離脱もあり、出場機会を増やすため、今季は春のキャンプからこれまで経験のないサードへの挑戦を始めた。 当初は慣れない動きや打球の処理に苦しみながらも、持ち前のセンスと自らの努力もあり、徐々に成長を遂げた。 開幕スタメンは野村佑希に譲る形となったものの、4月9日のソフトバンク戦で今季初めてサードでのスタメン出場を果たすといきなり、マルチ安打をマーク。11日の同戦でも今季1号を放つなど、段々とスタメンでの起用が増えていった。 さらに郡司が注目を集めたのは6月の交流戦、古巣の中日との対戦だった。6月12日の中日戦(エスコン)では左腕エースの小笠原慎之介の147キロ直球を捉えて、6号ソロをマーク。この試合は先発の伊藤大海がマダックス完封を成し遂げた試合ともなったが、打撃で援護した。 7月2日のロッテ戦(エスコン)では、今季初の4番に抜擢されると、7号2ランを含む、猛打賞を記録するなど指揮官の期待に応え、5連敗を止めるキーマンともなった。さらに前半戦最終の19日のロッテ戦でも決勝弾を放つなど、チームに貢献を続けていく。 後半戦に入っても勢いは止まらず、8月1日の西武戦では9回にプロ初となるサヨナラホームランを放つと、翌2日のソフトバンク戦では今季10号を放ち、キャリア初の二桁本塁打をマークしたことも話題を呼んだ。 そして郡司にとっても、大きな目標に掲げていた規定打席に9月4日のソフトバンク戦で達成。「ぐんぐん郡司」の愛称の通り、大卒5年目シーズンとなる今季、着実な歩みでチームにしっかり居場所を作った。 サードでの先発機会を増やしたが、8月28日の楽天戦では試合終盤に今季116試合目で初めてマスクを被ると、9月20日の楽天戦では伏見寅威が負傷離脱中ということもあり、今季初のスタメンマスクに抜擢された。 バッテリーを組んだドリュー・バーヘイゲンの球は試合直前にブルペンで初めて受けたというものの、それを感じさせず、制球にやや苦しむ助っ人をうまくリードし、見事勝利に導いた。 さらに22日のオリックス戦でも再びスタメンマスクを任されると、先発・加藤貴之の制球力を活かすリードで、完投勝利に導いた。 プロ5年目の今季は127試合に出場し、打率「.256」、12本塁打、49打点。初挑戦となったサードではチームトップの96試合で先発出場を果たすなど大きく飛躍した。郡司の目覚ましい活躍には、日本ハムファンの間からも「(中日から)来てくれてありがとう」と感謝の声が飛ぶ。 本職が捕手ということもあり、投手がピンチになると声がけに行くシーンも目立つ。攻守にわたってチームを支えた。選球眼を活かした四球での出塁、状況に応じたチーム打撃など様々なシーンで野球センスを発揮した。 新庄監督の4年目シーズンにおいても、キーマンの一人となることは間違いない。来季はどんな活躍を見せてくれるのか、球界を代表するスラッガーへの成長に期待が高まる。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]