カワサキモータース、伊藤忠が株式20%取得へ 米国での販売強化へ
川崎重工業は8日、完全子会社で二輪大手のカワサキモータースと伊藤忠商事が資本業務提携を結んだと発表した。川重が持つ株式の20%を、来年4月に伊藤忠へ800億円で売却する。主力の米国市場での販売強化を進める一方、株式の売却益を水素など注力事業の投資にあてる。 【写真】カワサキモータースの主力機種の一つの「Ninja」=2024年5月4日、三重県伊賀市 バイクやオフロード四輪を手がけるカワサキモータースは、昨年度の売り上げの半分以上を米国事業が占める。両社は米国で金融事業を行う合弁会社を立ち上げ、ローンの審査や供与、顧客サービスを強化してシェア拡大を図る。さらに伊藤忠が強みを持つ新興国における需要の取り込みや、物流の効率化をめざす。 川重は調達した資金で、脱炭素に向けた水素のサプライチェーンづくりや、配送や手術支援といった産業用以外のロボットなどの分野に投資する。山本克也副社長は「売上高が伸びていて運転資金も増えている。成長投資にかなり回していかないといけない」と話す。(高橋豪)
朝日新聞社