邦人脱出に貢献「覚えていてくれてうれしい」 日本とトルコの歴史たどり、次世代とご交流 秋篠宮ご夫妻トルコご訪問同行記
日本とトルコの外交関係樹立100周年に際し、3~8日の日程でトルコを訪問されている秋篠宮ご夫妻。両国の友好の歴史や、皇室との関わりをたどる節目のご訪問の詳細を、同行記者がつづります。 【写真】世界遺産アヤソフィアを視察される秋篠宮ご夫妻 ■東西文化の交差点 イスタンブール 3~4日にかけて首都アンカラに滞在していた秋篠宮ご夫妻は5日午前、ヨーロッパ有数の都市であるイスタンブールへ移動された。 同行記者らもイスタンブール空港に降り立ち、車で市街地へ近づいていくと、まさに「異国情緒あふれる」景観が姿を現し始めた。ボスポラス海峡を挟んでヨーロッパとアジアにまたがり、東西の文化が交差する古都。見渡せば海が目に入り、船やさまざまな国旗、建物群に負けない存在感を放つモスクが並んでいる。 内陸部で冬の寒さが厳しいアンカラと比べ、イスタンブールの気候は比較的穏やかだったが、それでも時折吹き付ける冷たい風が身に染みた。ホテルやカフェには、クリスマスを意識した飾りつけもされていた。 ■両国の絆確かめた100周年記念式典 市街地へ到着した秋篠宮ご夫妻は、世界遺産のアヤソフィアや、オスマン帝国時代のスルタン(イスラム王侯)が暮らしたトプカプ宮殿をご視察。その後、外交関係樹立100周年記念式典に臨席された。 式典では両国の国歌が斉唱された後、100周年を記念した特別映像が上映された。3~4分ほどの映像では、両国の友好関係の契機となった「エルトゥールル号」に始まり、三笠宮さまが長年発掘を支援したカマン・カレホユック遺跡や、災害時の緊急援助隊の相互派遣などを網羅的に紹介。秋篠宮さまも、式典のお言葉で改めてこうした象徴的な出来事に触れ、「次の100年」へと向かう両国の確かな絆を強く印象付けられた。 翌6日のご日程は、そうした両国の友好の歴史の足跡を、現地に残る資料や、人々との交流を通じてひもとく内容となった。 ■テヘランの脱出劇に深い謝意 午前9時半すぎ、秋篠宮ご夫妻は海事博物館に足を運び、エルトゥールル号に関する展示などをご覧になった。