フランスにはなぜ「飲み放題」文化がないのか。“個人主義”のフランス人が、日本の居酒屋に歓喜するワケ
▼お酒をみんなで楽しむ文化
複数人や団体で利用することの多い飲み放題ですが、このような共同体験はフランスでは珍しいことです。個人主義が一般的なフランス人の目には、相手のために注文することや、料理をみんなでシェアする日本の飲食文化が新鮮に映るようです。
◆パリで「IZAKAYA」が大人気
日本の居酒屋は飲み放題だけでなく、雰囲気やサービス、食事のバリエーションでもフランス人を魅了しています。 例えば、居酒屋のおしぼり。夏には冷たいおしぼりを、冬には温かいおしぼりを提供する日本ならではのサービスは、フランスではまず見られません。どのレストランでも紙か布製のナプキンを使うことが一般的です。 実際にパリでは、日本の居酒屋にインスピレーションを受けた「IZAKAYA」が流行するようになりました。日本を旅行した際に感銘を受けた料理人たちが、フランスにそのスタイルを持ち帰り、パリの中心地で「IZAKAYA」をオープンさせたのです。
◆絶対に「また来たい!」日本の飲食店
飲み放題文化はもちろん、のれんをくぐる時のワクワク感や、日本人ならではのおもてなし精神は、フランス人にとって「非日常」そのもの。 フランス人を日本の居酒屋に連れて行けば、「また来たい!」と誰もが言うはずです。フランスの友人を迎える機会があれば、ぜひ居酒屋に連れて行ってみてくださいね。 この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
大内 聖子