健康診断は「毎年同じ時期・同じ病院で受ける方がいい」のウソ・ホント 受ける時の注意点も教えて
健康診断を受ける際の注意点
編集部: 健康診断を受ける時の注意点はありますか? 金沢先生: 医師によってさまざまな意見があると思いますが、私自身は患者さんに普段通りの状態で受けることをお勧めしています。 その方が、普段の現状を把握することで体の状態に向き合いやすくなるからです。直前だけ体調を整えて良い検査結果を得ても、あまり意味がありません。 編集部: そのほか、気を付けることはありますか? 金沢先生: 先に普段通りと言いましたが、胃のレントゲン検査、腹部超音波検査、胃や大腸の内視鏡検査を受けるときには食事制限が必要です。検査機関によっていつ絶食や絶水を始めるかが若干異なるので、検査を受ける医療機関に確認し、指示を守るようにしましょう。 編集部: 普段から服用している薬は、飲んでもいいのでしょうか? 金沢先生: 事前に主治医と相談の上、できるだけ服用しましょう。また、糖尿病治療のために服薬や注射をしている場合も、検査前に主治医とよく相談しましょう。薬をストップせず、用量を調整するだけで済むこともあります。 編集部: 最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。 金沢先生: 健康診断は長く健康な体でいるために大変重要な役割を担っています。職場健診であっても、人間ドックであっても、検査結果を放置せずにぜひ有効活用してください。 現在は「人生100年時代」といわれていますが、充実した人生を全うするには、普段から健康寿命を意識した行動が必要です。検査結果で「要精査」と指摘されたら、必ずこの現実に向き合って精密検査を受けましょう。
編集部まとめ
検査を受けることも大事ですが、その検査結果をどう活かすかということも、とても大事。異常を指摘されても、「これは毎年言われていることだから」と見逃している人も多いと思います。 しかし検査は早期に病気を見つけるチャンスです。ぜひ定期的な習慣にするとともに、異常を指摘されたら速やかに精査を受けるようにしましょう。
【この記事の監修医師】 金沢 憲由 先生(青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック) 秋田大学医学部卒業。その後、秋田組合総合病院(現・秋田厚生医療センター)、秋田大学医学部附属病院、横浜労災病院で経験を積む。2023年、神奈川県横浜市に「青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック」を開院。日本消化器病学会専門医・関東支部評議員、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・関東支部評議員、日本肝臓学会専門医、日本内科学会専門医、日本消化管学会専門医。難病指定医。
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