仲間同士でつくった農業共同体が、身近な人から幸せにする「味噌づくり」とは
食べることは生きること。50年前から変わらないスタイルで、味噌づくりの本質を見つめ続けてきた「やさか共同農業」が、未来に込める可能性。そのカギは「故郷を愛する心」にある。 「弥栄で生まれた子どもたちが、きちんと弥栄のよさをきちんと語れるようになってもらいたい。例えば県外の親戚や友だちが弥栄に遊びにきたときに、家でゲームをするのではなく、ここへ行こうよ、と色んなところへ連れていってあげられるようになってもらいたいんです。なのでまずは地元の子どもたちに地域の魅力をきちんと伝えること。その手段の一つが、農業と味噌だと思っています。そして、幸せな社会をつくりたいなら、まずは故郷を愛し、自分や家族、地域の子どもたちが幸せであること。農業と味噌を通じて、身近なところから幸せを伝播させていくことが、明るい未来へのいちばんの近道ではないでしょうか」 TEXT/大森奈奈 撮影/日下部真紀