森保Jで「一番安定、一番面白い」 インドネシア戦16選手を日本代表OBが採点
【専門家の目|金田喜稔】際立った町田のビルドアップ能力「相手は守りにくい」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランク15位)は現地時間11月15日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第5節のインドネシア戦(同130位)を敵地で迎え、4-0で勝利を収めた。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏が、この試合に出場した日本代表の16選手を5段階(5つ星=★★★★★が最高、1つ星=★☆☆☆☆が最低)で採点した。 【実際の映像】日本サポーターが試合後にスタジアムのでゴミ拾いをするシーン ◇ ◇ ◇ <GK> ■鈴木彩艶(パルマ/イタリア)=★★★★☆ 結果的に4-0と快勝したが、この結果を導いたきっかけは間違いなく彼のスーパーセーブ。後半にキャッチミスも見られたが、無失点での勝利は大きな評価ポイント。 <DF> ■板倉 滉(ボルシアMG/ドイツ)=★★★☆☆ スリッピーな状況もあったが、目測を誤り、あわや失点という対応のミスがあった。先制点を奪われていても不思議ではなかったし、1発で抜かれてはいけないポジション。また最終ラインのコントロールにやや不安を残しており、今後に向けて改善の余地がある。 ■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ/ベルギー)=★★★★★ 定位置を確保している理由を示した一戦。一番安定していて、見ていて一番面白い。対人プレーが強いし、何より足もとのビルドアップ能力が際立つ。キック精度が高く、多彩なボールを出せるだけに、相手は相当守りにくい。 ■橋岡大樹(ルートン・タウン)=★★★★☆ これまで出場機会が限られただけに周囲との連係面は発展途上だが、それでもピッチ上ですべて出し切ろうという姿勢が随所に垣間見えた。1対1で負けない強さがあり、高さやフィジカルも魅力。プレーの安定感を高めていけばコンスタントな出場も見えてくる。
守田が「ピッチを支配した」、鎌田の「数手先を読んだ動き」
<MF> ■守田英正(スポルティング/ポルトガル)=★★★★★ ボールに触る回数がずば抜けており、ピッチを支配していた印象。遠藤がどっしり構えてくれているのもあるが、2人の連係や信頼関係が成熟してきた点も大きい。チーム内で守田にボールを一度預ける意識が浸透しているし、信頼されているのが分かる。1点目に関与し、自らゴールも奪うなど存在感が際立った。 ■遠藤 航(リバプール/イングランド)==★★★★☆ 守田が自由に動けていたのは、中盤を幅広くカバーしていた遠藤の存在があってこそ。攻撃陣が仕掛けに専念できるようにピンチの芽を素早く摘んでいたし、全般的にミスもほぼなく、攻守ともに高水準のパフォーマンスを維持し続けていた。 ■三笘 薫(ブライトン/イングランド)=★★★★☆ OUT→後半17分 長い距離を戻って守備する機会も多かったが、2点目の場面では見事なアウトサイドパスを披露。三笘らしいアシストだった。たとえ三笘の縦突破が難しくても、相手を引き付けながらテンポ良くパスを回してポジションをずらし、スペースに走る味方が生きるようなポジショニングも効果的だった。 ■伊東純也(スタッド・ランス/フランス)=★★★☆☆ IN←後半17分 不慣れなシャドーに入った影響もあったのか、この日は珍しくミスが散見したし、プレーに勢いもそこまで感じられなかった。とはいえ、惜しいクロスを供給し、チャンスも作り出しており、要所で光るプレーも見せていた。 ■鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド)=★★★★☆ OUT→後半34分 自分が生きるだけでなく、味方の動きを予測してスペースを生み出し、数手先を読んだ動きで目立たなくても味方を助けた。また攻撃のリズムを作るため、タイミング良く下がってボールを引き出したり、スペースを作るなど、各プレーに意図を感じる。そうした結果が1点目の動きにつながった。 ■旗手怜央(セルティック/スコットランド)=★★★☆☆ IN←後半34分 小まめに動き回りながらスペースを探し、的確に相手が嫌がるエリアを攻略しようと苦心。あと一歩でゴールというパスも通すなど視野の広さやセンスを感じさせたし、限られた時間のなかで結果を残そうという気持ちが伝わってきた。 ■堂安 律(フライブルク/ドイツ)=★★★★☆ OUT→後半17分 橋岡の上がりを生かそうと苦心した一方、その上がりで手薄になった守備への意識も強く、献身的な対応を披露。攻撃から守備への切り替えスピードが早いうえ、守備意識も印象的。個で打開する場面は限られたものの、絶妙なクロスを供給するなど攻撃面も悪い出来ではなかった。 ■菅原由勢(サウサンプトン/イングランド)=★★★★☆ IN←後半17分 久しぶりに迫力ある仕掛けを随所に見せてくれたし、角度のないところから芸術的とも言えるスーパーゴールも生まれた。その突破だけでなく、ミドルシュートも放つなど攻撃への意識は非常に強かった。また球際でもガツガツ行くなど、1つ1つのプレーから気迫があふれていた。