元値100円以下、「金の指輪」売った疑いで逮捕 被害相次ぐ
偽の金の指輪を売って現金をだましとったとして、北海道警は8日、指定暴力団6代目山口組系組員藤田公介容疑者(46)=札幌市豊平区=と、運送業飯島晃容疑者(61)=同市白石区=を詐欺容疑で逮捕し、発表した。2人は指示役とみられる。他に売却役や別事件に関わった36~55歳の男女5人も詐欺や詐欺未遂の容疑で逮捕した。認否は明らかにしていない。 藤田、飯島両容疑者は、昨年10月、札幌市内のリサイクルショップに、「14金製」とする指輪2個を持ち込んで買い取りを依頼し、店から現金計17万5千円をだましとった疑いがある。実際は巧妙な塗装にすぎず、元値は1個100円以下だったという。 道警によると、昨年8月、別のリサイクル店から豊平署へ「偽物をつかまされた」と被害の届け出があり、同署と組織犯罪対策2課で捜査していた。 道内では昨年8~11月、似た被害が約30件確認されており、被害総額は約400万円という。道警は2人のグループが関与していたとみて調べている。 国際情勢の不安定化や円安により、金の価格は高騰している。地金商大手・田中貴金属工業によると、小売価格の平均は2020年が1グラム6122円(税抜き)だったが、24年はほぼ倍の1万1718円だった。(新谷千布美)
朝日新聞社