ストレス軽減と気分の改善に役立つ食事法?研究結果が示す〈地中海式ダイエット〉の可能性
新しい研究によると、地中海式ダイエットはストレスを感じにくくし、気分も向上させる可能性があるという。 【写真】ストレス軽減と気分の改善に役立つ食事法?研究結果が示す〈地中海式ダイエット〉の可能性 豊富な野菜、脂肪分の少ないタンパク質、健康的な脂肪(魚やナッツ類など)などから構成される地中海式ダイエットは、世界で最も優れた食事のひとつと広く考えられている。 ■食品と気分の相関関係 この研究では1500人以上を対象に調査を行い、どのような種類の食品を食べているか尋ね、ストレス認知レベルを評価した。また、苦痛の感情に関する測定法であるケスラースケールも用いられた。これは、「緊張している」「絶望的」「無価値感」といった特定の感情の頻度を数値で回答するものである。地中海式ダイエットの主食である濃い緑の葉物野菜は、ケスラースケールのほぼすべてのネガティブな感情と逆相関を示した。一方、ファーストフードや糖分の多い食品などの西洋食の構成要素は、こうしたネガティブな感情と正の相関があった。それだけでなく、ネガティブな感情と逆相関する要素の多くが、ポジティブな感情と正の相関関係にあった。例えば、葉物野菜、全粒穀物、ナッツ類、オーツ麦はすべて、「問題に対処する自信がある」「イライラをコントロールできる」といったポジティブな感情と正の相関関係にあった。「これはつまり、これらの食品がストレスに対する肯定的な捉え方を促進するだけでなく、ストレスに対する否定的な捉え方を減少させたことを示唆しています。」と、この研究の最終著者ビンガムトン大学准教授リナ・ベグダシュ氏は話す。西洋食も悪いものばかりではなく、白身肉、卵、そして赤身肉は、ストレスや精神的苦痛の感情と負の相関を示し、「自信」のようなポジティブな感情とは正の相関を示した ■食べ物が気分に与える影響 例えばセロトニンは、体内の「幸福」ホルモンであり、気分の調整を助ける神経伝達物質であるが、そのほとんどが腸で形成される。血糖値の変動はセロトニンレベルを不安定にするため、精神的苦痛やストレス反応の主要な原因となる。その結果、血糖値が下がると食欲のコントロールができなくなる。ストレスはコルチゾールというホルモンを増加させ、体重増加や炎症を引き起こす可能性がある。「西洋食を続けていると栄養不足や栄養の偏りが生じ、そのような食生活の中で新たな正常な状態を作り出そうと、コルチゾールの分泌が長引くことがあります。」とベグダシュ氏は言う。 ■地中海式ダイエットとは? 地中海式ダイエットは、加工を最小限に抑えた植物性食品を重視する食事スタイル。果物、野菜、ナッツ類、豆類、全粒粉のパスタやパンなどの全粒穀物、オリーブオイル、赤ワイン、少量の魚、卵、乳製品、肉類を含む。その名の通り、地中海に面した国々、特に南イタリアとギリシャのオリーブ栽培文化圏に住む人々の伝統的な食習慣にヒントを得ている。 地中海式ダイエットは単一ではなく、その特徴は国によって異なる。しかし、その中でも次のような共通の特徴がある: 豊富な野菜と果物、全粒穀物、豆類、魚、ナッツ類、種子類、オリーブオイルの摂取 肉と乳製品を控えめにする 加工食品や砂糖の使用は非常に限られる 地中海式ダイエットを始めるのはハードルが高いと感じるかもしれないが、難しく考える必要はない。 「白いパンを全粒粉のパンに変えたり、栄養のないスナックを果物や健康的な脂質に変えたりすることから始めてみることができます。」と、クリーブランド・クリニックの栄養士クリスティン・カークパトリックは話す。 小さな変化から始めることで、食事の満足度は下がるどころか、高まるはずだ。 出典: Mediterranean Diet May Help You Feel Less Stressed and Improve Your Mood|healthline Study reveals the Mediterranean diet's role in lowering perceived stress|NEWS MEDICAL LIFE SCIENCES Guide to the Mediterranean diet|Harvard Health Publishing 文/HIDEMI
HIDEMI