好調続く「オルカン」「S&P500」との組み合わせ投資に「eMAXIS インド株インデックス」を新設
新NISAがスタートして1カ月余りが経過し、NISAで好まれる商品の傾向が見えてきた。新NISAの対象である投資信託の資金流出入(各投資信託の購入額と解約額の差異)をみると、2024年1月は、群を抜いて「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の純流入額3428億円が目立つ。次に、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2079億円で、第3位の「楽天・S&P500インデックス・ファンド」が397億円の純流入額であったことから、他を圧して「eMAXIS Slim」の「全世界株式(オール・カントリー)」と「S&P500」に資金が向かったことがわかる。三菱UFJアセットマネジメントの分析では、1月の資金流出入状況で明確だったのは「ノーロード・インデックス・ファンド領域への明確な集中。資金流入額の70%を占めた」(デジタル・マーケティング部副部長の酒井香織氏)という。
「ノーロード・インデックス・ファンド領域」とは、主にインターネット取引専用に提供されているノーロード(販売時手数料無料)で、低コスト(信託報酬率の水準が同種の他の商品と比較して低い)のインデックスファンドで、シリーズとして提供されているファンド群を指す。三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim」、大和アセットマネジメントの「iFree」、アセットマネジメントOneの「たわらノーロード」などのシリーズが代表的だ。2018年1月に「つみたてNISA」制度が導入され、「長期・分散・積立」の投資こそが資産形成の王道という考え方が広まるとともに、各シリーズにおける運用コスト(信託報酬率)の引き下げ競争が激しく繰り広げられた。その競争の中で、愚直に「業界最低水準」を標榜し、ライバルファンドが信託報酬率を引き下げると、それに応じて何度でも信託報酬率の引き下げを実施してきた「eMAXIS Slim」シリーズが、今では他のシリーズを圧倒する存在感を示している。