高橋優インタビュー/主催フェス開催間近「一緒に楽しい時間にしようっていう意味がどんどん深くなっていっている」
最新デジタル・シングル「現下の喝采」を9月11日(水) にリリースするシンガーソングライターの高橋優。グイグイと背中を押してくれるようなテンポに勇気づけられる、誰もの日常に寄り添う高橋流の応援歌だ。この新曲の話を中心に、自身初となった全国47都道府県を弾き語りで巡ったツアー『ONE STROKE SHOW~一顰一笑(いっぴんいっしょう)~』での経験、そして9月21日(土)・22日(日) に開催が迫った『秋田CARAVAN MUSIC FES 2024』への想いを聞いた。 【全ての写真】高橋優の撮り下ろしカット
常にオンモードでいることの影響と締切にまつわる考察
――初の47都道府県を巡るツアーとなった、『ONE STROKE SHOW~一顰一笑(いっぴんいっしょう)~』を完走しました。やり切った感としてはいかがですか? 今の自分でやれることはやったなっていう気はしています。 ――それはまだまだやれるぞ、というこれからに向けての手応えがあるということですか? 本当の本心を言うと、今までは、“ツアーのテンション”というものに自分を持って行って、ピークまで上げてっていうのをやってたんですけど、今回の47都道府県弾き語りツアーは、どちらかというと路上ライブをやっていた頃の感覚に近いというか。路上ライブをやっていたときは、だいたい週一か週二くらいの間隔で週末にやって、平日は大学に通ったりアルバイトしたりしてたんですけど、なんかその感覚に似てて。それっていわばライフワークみたいなことなんですけど、そうなると、ピークっていうよりもいつでもギター1本持ってライブができるようにしておかなきゃいけない、そういう心構えで毎日を過ごすことが当たり前になってくるんですよね。で、ツアーが終わって思うのは、その気持ちでいる方がいいんじゃないかっていうことなんです。だから、おっしゃった、「やり切った感」というのは確かにある、でも今も自分の日常の中ではまだ続いている――そんな感覚なんですよね。終わってもう1カ月半くらい経つんですけど。 ――ずっとアイドリングしているような状態。 そう。それまでは、ライブモード、曲作りモード、みたいにパキッと別れてたんですよ。そこがちょっと変わって、常にライブモードの状態でいる、という感じです。 ――シンプルな質問ですけど、それは良い状態なんですか? わかんないです。ぴんしょうツアー(※47都道府県弾き語りツアーのこと)中に一回喉を壊したんですよ。声帯炎というのになってしまって。幸い、日程的に恵まれてツアーを飛ばしたりすることはなかったんですけど。ただ、どうして喉をやっちゃったんだろうっていうことを最近よく考えてて。そんなに体調を崩すような日々を過ごしていたつもりもないし、まあ強いて言えば寒い時期から始まったツアーだったので、風邪をひいてこじらせたりしたのかな?っていうくらいで。でも体調管理ということで言えば、無理せず休まなきゃいけないときは休まないといけないっていう大前提があるじゃないですか。そうなると、今のこのオンモードが続いている状態っていうのは、果たして体調管理的に正解なんだろうか?っていう疑問があるんですよ。でも、よく考えたら、大人の皆さんってみんな絶えずオンモードですよね? 逆に聞きたいんですけど、どうしてるんですか? みなさん、ちゃんと休めてますか?(笑)。 ――(笑)。 さっきもスタッフの方と話してたんですけど、休み方が難しくなってきませんか?って。例えば3日ある休みのうち1日目はゴロゴロして、配信作品か何かを見ながら過ごして、あー休んだーって思っても、2日目くらいから、これでいいのかな……?って思うようになったりするんですよね(笑)。もうちょっとアクティブな趣味がある人だったら、釣りに行ったり仲間と弾丸で旅に出たりするわけじゃないですか。そういう有意義な休み方をしている人たちが羨ましいというか。SNSにそういうのが流れてきたりすると。で、SNSを見ている時点でもうこっちは休まってないんですよね(笑)。でも、ずっとライブを意識したオンモードでいることは、楽しいは楽しいんです。毎日の中で、これライブのMCに使えるかもしれないなってメモったり、曲の種になるかもしれないって思ったり、そうして過ごすこと自体は手応えを感じるんですよ。今日はやったぞ、みたいな。でもじゃあ、休めてるのか?と言われたら、これでまた知らない間に自分の体や心に蓄積されているものがあって、いつかまたそれが予期しない形で溢れ出て、体を壊したりしちゃうのかな……って。そのバランスというか、果たしてこのままオンモードでいったらどうなるんだろう?っていうのがわからないんですよね。大人のみなさんにアンケートを取りたいくらいですよ(笑)。