ヘリ墜落で急逝したレスターのオーナーはなぜ愛されたのか。“嫌われるオーナーたち”とはなにが違ったのか
タイ人オーナーへの敬意は奇跡的なあの優勝の前から。
ヘリの墜落事故で命を落としたヴィチャイ・スリバッダナプラバ氏。レスターに奇跡の優勝をもたらしたオーナーの急逝を悼む。(C)Getty Images
ヘリコプターの墜落事故で急逝したレスターのオーナーは、なぜあれだけ人々から愛されたのか。哀悼の意を捧げながら、故人の足跡や人柄を振り返る。嫌われるオーナーたちとは、どこが根本的に違っていたのだろうか。(文:オリバー・ケイ/訳:井川洋一 2018年11月15日発売ワールドサッカーダイジェスト『ザ・ジャーナリスティック イングランド』を転載) ―――◆―――◆――― ヴィチャイ・スリバッダナプラバを乗せたヘリコプターが着陸するシーンを、初めて見た時のことをよく覚えている。レスター・シティの本拠地、キングパワー・スタジアムの記者席で見終えたばかりの試合のレポートを書いていると、ヘリコプターがピッチに着陸し、クラブのオーナーであるヴィチャイとその家族を乗せて夜空へ舞っていった。 当初は、これもまた21世紀のプレミアリーグに溢れる富の象徴のひとつと受け取った。もしもこの行為が他
本文:5,113文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。