【九州国際大付－広陵】八回表九州国際大付2死一、二塁、黒田が右越え2点三塁打を放つ＝阪神甲子園球場で2022年3月24日、平川義之撮影

　第94回選抜高校野球大会は第6日の24日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦が行われ、昨秋の九州大会を制した九州国際大付（福岡）が、昨秋の中国大会優勝の広陵（広島）を4―1で破り、準々決勝進出を果たした。1番打者の黒田義信（3年）が4安打4打点と活躍した。 【熱戦を写真で】九州国際大付vs広陵 　「2年生四天王」と呼ばれる強打の4番・佐倉が注目される九州国際大付打線だが、楠城監督が「ずっと調子が良い」とキーマンに挙げるのが1番・黒田だ。「佐倉だけじゃない」と言わんばかりに、3年生リードオフマンが躍動した。 　1点を追う二回、無死満塁と攻めながら2死まで得点できず、無得点なら流れを失いそうなところでセンス抜群の打撃を見せた。2ボール2ストライクから広陵のエース右腕・森山が「きょうのベストボール」と振り返った141キロの内角直球に「体が反応した」。肘をたたんで引っ張って一、二塁間を鋭く破り、走者2人が還って逆転したチームは勢いを取り戻した。 　さらなる見せ場は、1点差のまま進んだ八回2死一、二塁、喉から手が出るほど追加点がほしい場面。2番手・松林の直球を捉えて打球が弾丸ライナーで右翼手の頭を越すと、スタンドがどよめく俊足で三塁まで到達して「（先発の）香西を楽にさせられた」と目尻を下げた。 　昨秋からチームを取り巻く話題は、182センチ、104キロの体格を誇る2年生長距離砲の佐倉に集中した。だが、黒田の打撃成績は本塁打数だけみても、高校通算9本の佐倉に対して28本と上で「かわいい後輩ですが、数字は俺の方が良いのに体格が良い方が注目されるんだなと。負けたくないと、日ごろから意識してやっています」。180センチ、72キロの均整の取れた体つきの黒田が冗談めかして笑えば、この日3安打をマークした佐倉は「チームで一番頼りになる」と尊敬の念を抱く、理想的な関係だ。 　1回戦は内野安打1本と振るわなかった打撃を数日で修正し、三塁打1本、二塁打1本を含む4安打で「単打も長打も放つ」という理想の打撃を取り戻した黒田。頼もしい万能1番打者が、チームをけん引する。【吉見裕都】 　◇全31試合をライブ中継 　公式サイト「センバツLIVE！」（https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022）では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」（https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/）でも展開します。