【ウインターカップ2024】鳥取城北の快進撃を支えたハロルド・アズカ「夢はNBA選手、その前にBリーグでも」
「鳥取城北は素晴らしいです。寮もめっちゃ楽しい」
ちなみにアズカは、「バスケを始めたのは5年、6年くらい前です」と、まだまだ発展途上の選手だ。そして、バスケットボールを始めた経緯をこう教えてくれた。「それまでは勉強に集中していました。アズカの身長が大きくて、お父さんの友達が『なんでバスケしてないの?』と聞いてきたのがきっかけです。アズカはゲームが好きで、運動はあまり好きではなかったです。でも体育館に行って実際にプレーしたらめっちゃ楽しかったです」 また、鳥取城北を進学先に選んだ理由を、多くの留学生と同じセンターではなくフォワードとして育成してくれる方針にあったと語る。 「アズカのプレースタイルは、みんなと同じではないです。でも河上貴博先生は『3ポイントシュートを打っていいよ、ドライブをしていいよ』と言ってくれました。次のレベルに行きたいなら、センターのプレーはしません。河上先生は『あなたのスキルをレベルアップさせたい』と言ってくれました。だから、ここが一番と思いました」 河上コーチは、このようにアズカの今大会の活躍ぶりを称える。「アズカは万能にできる選手です。努力家で人一倍練習もしますし、選手からの信頼も厚い。今大会では『あんなアシストもできるんだ』というパスも出してくれたり、自分で行きたいところでパスもしたりと、チームのバランスを考えてやってくれる姿が見えて成長していると思いました」 そしてコーチは「彼はコミュニケーションをすごく取ってくれます。学ぶ姿勢が良いですし、めちゃくちゃ良い子です」と人間性も称え、3年生となる新シーズンでは次のように成長の手助けをしたいと続ける。 「留学生の中ではサイズがある方ではないですし、彼の武器はシュートだと思います。それを生かすためにもハンドリングやパスを伸ばしてより万能にプレーする選手にしていく。彼もそれを望んでいると思います。そして相手のウィークポイントを見ながら外でプレーするのか、中でプレーするのかを、考えられる選手にしていきたいです。」 最後にアズカに、東京体育館の大観衆に見守られてプレーする気分を聞くと、「アズカの夢はNBA選手。その前にBリーグでもプレーしたいです。今日の会場はちょっとその雰囲気に似ていて楽しかったです」と笑顔を見せてくれた。 「鳥取城北は本当に素晴らしいです。バスケだけでなく、寮もめっちゃ楽しい。このケミストリーはバスケットボールにも生かされています」 こう母国ナイジェリアから遠く離れた異国の地での生活を満喫しているアズカが、将来もしっかりと見据えた指導体制の下でさらなる成長を遂げ、1年後のウインターカップでより支配的なプレーを見せたとしても、それは驚きではない。