「虎に翼」はて?で繋ぐ人の絆〝再会〟という希望【梅子さんのおにぎり】【団子】【さよーならまたいつか!】
音みかんの「エンタメ」ワクドキWACTHING
ドラマ、映画、アニメ好き。「三度の飯より…」とは言い切れない食いしん坊・音みかんが個人の趣味に〝全フリ〟したチョイスで昔の名作から最新作までエンタメ作品を語ります。 ■史上初!? 犬を熱演する石田ゆり子【写真】 2024年を代表するドラマ、NHK連続テレビ小説「虎に翼」は終了後に多くのロスの声が上がった。年の瀬の30日には総集編が放送され、31日の紅白歌合戦ではスピンオフドラマ特別編が流される予定。「とらつば」ファンの熱は再燃している。
<以下ネタバレあり。ご了承の上お読みください>
主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)が女性初の弁護士、裁判官になるこの物語。昭和6年(1931年)から戦中、戦後の法改正が行われる激動の時代で様々な出会い、差別や不平等に疑問を投げかけながら法律家として躍進し続ける姿はもちろん、結婚や出産、更年期障害など一女性としての生涯も描かれた。 「虎に翼」の魅力を考える時、やはり愛すべきキャラクターの多さが挙げられる。寅子を筆頭に猪爪家の家族、特に母のはる(石田ゆり子)のチャーミングさには心を掴まれたが、学生時代の女子部編が始まり仲間という〝チーム〟が出来上がった頃には「これは最後まで観るな…」と思わされる程、追いかけ続けたいキャラクター達が確立していた。
よねさんにも「はて?」…考えや境遇が違っても分かり合える
とはいえ最初からの仲良しだったわけではない。男装をし、何かと厳しいことを言う山田よね(土居志央梨)とは対立するシーンから始まった。考え方が違うよねに、他の生徒は「仕方ない」と距離を置こうとするのに対し、寅子は口癖の「はて?」を連発。理不尽な状況を目の当たりにしたり、怒りを感じたりした時に出るのだが、この「はて?」こそが人間関係を構築しているように感じるのだ。 筆者は過去に、ライフステージの変化で境遇が変わってしまった友人と疎遠になったことがある。悩みを相談されても自分では理解できない気がして「同じ状況の人に聞いてもらった方がいいよ」と逃げるようにして距離をとってしまった。「はて?」は心の寄り添いだと思う。相手を理解しようとし、しっかり向き合ってきた寅子だからこそ、女子部編以降も次々と現れる個性的なキャラクター達と絆を育んだ。そんな姿を見て〝違うから〟と簡単に切り捨ててきた自分を省みた。その奥にある〝分かり合える〟部分に気付かずに通り過ぎてしまってきたことが沢山あるのかもしれないと思わされたのだった。