『リラックマ』のキャラクター原案者・コンドウアキさん、癒し系ギャグ漫画『ニャーおっさん』を生み出したきっかけは?
腰痛持ちで言動がジジむさいことから“ニャーおっさん”と呼ばれる、二足歩行をするネコ。そんなニャーおっさんの日常を描いたほっこりキャラクターのギャグ漫画『ニャーおっさん』がついに完結! 【画像】癒し系ギャグ漫画『ニャーおっさん』とは? 作者のコンドウアキさんは『リラックマ』や『うさぎのモフィ』などの人気キャラクターたちの生みの親で、『ゆめぎんこう』などの絵本も大人気!そんなコンドウアキさんに、キャラクター作りについてや、『ニャーおっさん』の制作秘話についてお聞きしました♪
キャラクターは、絵を描くことが苦手な方でも描けるようシンプルに
──『リラックマ』や『うさぎのモフィ』など、コンドウさんはたくさんの個性的で親しみやすく愛しいキャラクターを生み出されていますよね。キャラクターを考えるうえで意識していることなどはありますでしょうか。 絵を描くことが苦手な方でも、描きやすく、でしょうか。なるべくシンプルに描きやすく、というキャラクターを目指していますが、毎年どんどん新しいキャラクターが世の中には増えていくので、他と似ないように、そしてシンプルに、って難しくなっているなぁと思っています。 ──作家としてお仕事をされてから、約20年。今までの作品を改めてまとめた『コンドウアキのおしごと展』が現在全国巡回中ですね。いらしたお客様の反応を見て、うれしかったこと・意外に思ったことなどはありますか? フリーになって20周年、絵のお仕事を始めてからは27年目になるのですが、「幼稚園の頃から大好きです!」 とか「親子三代で好きです!」と言っていただくと「ええええ!?」となります。 ぼーっと机に向かって過ごしてきた時間は、「そうか、0歳が成人してしまう年月だなあ」、と…。 展示をするまであまり意識していなかった長い時間を、いらしてくださったお客様からのメッセージを見たりなどして、改めて実感しつつもびっくりしたりしています。 ──ハラマキがトレードマークの『ニャーおっさん』というジジむさいネコのキャラクターを思いついたきっかけはなんでしょう? もともと『ニャーおっさん』は、クリエイティブカンパニーである『プリンツ21』さんが運営するキャラクターサイトのキャラクターとして生まれました。どこか哀愁のあるネコを描きたいな、と思ったのがきっかけです。タコ社長やチュー坊などのまわりのキャラクターたちは…なんならネコに食べられそうなモチーフですね…。そんなつもりはなかったのですが、今改めて思い返して、「あっ」となっています(笑)。 『ニャーおっさん』に限らず、私はもともとキャラクターには「こういうふうに受け取ってほしい」という作り手の思いをなるべくのせないように、と思って作成しています。 もちろん、仕事をご依頼くださるクライアントさんの「こういう感じがいい」というご要望は伺って落とし込むようにしますが、あくまで私自身の思いはのせないというか…。 世界観は大事に作りたいと思っていますが、受け取られ方はユーザーさんや読者さんの自由だと思っています。キャラクターも本も、作者の手を離れた後は、ユーザーさんや読者さんの元に存在します。生活の一部に寄り添えたらいいなとは思いますが、思ってもそこまでです。だから『ニャーおっさん』も、そういう意味では何か最初からメッセージ性があるわけではないんですよ。