アップル、iPhone16発売-目玉のAI新機能は数週間以上待つ必要
(ブルームバーグ): 米アップルはスマートフォン「iPhone」の最新機種を、最大の目玉機能なしで購入してもらうという、かつてない難題に直面している。
同社は20日、最新機種iPhone 16シリーズを米国や中国、インド、オーストラリア、韓国、日本を含む約60カ国で発売するが、6月以来宣伝してきた新たな生成AI(人工知能)プラットフォーム「Apple Intelligence(アップルインテリジェンス)」は搭載されていない。ユーザーは同機能が利用可能になる数週間ないし数カ月後にダウンロードする必要がある。
このため、アップルは難しい立場にある。すでにAI新機能を大々的に宣伝しているが、すぐにその機能を楽しめないなら最新機種の購入を先送りする消費者もいるかもしれないからだ。
一方、新型iPhoneのハードウエア面については、前モデルから控えめなアップグレードにとどまっている。最も目立った変更点は写真やビデオを簡単に撮影できるタッチセンサー式のカメラコントロールボタンだ。
それでもウォール街のアナリストらは、重要なホリデー商戦にアップルが成長を加速できると強気の見方を崩していない。アナリストの間では、10-12月期は8%増収と予想されており、同四半期としては2021年以来の大きな伸びが見込まれている。
新シリーズには、16と16 Plusの2つの標準モデルに加え、上位機種ProとPro Maxが含まれる。先週から予約受付が開始されている。価格は標準モデルの16が799ドル(日本では12万4800円)から、上位機種Pro Maxが1199ドル(同18万9800円)から。
最近では、iPhone購入希望者がアップルストアに大挙し押し寄せるのを目にすることはめったにないが、熱狂的なファンの中には世界各地の店舗に列を作る人もいる。大きな問題は、一般の消費者が最新モデルを買い求めるかどうかだ。
発売当初のモデルは基本ソフト(OS)「iOS 18」が搭載されているが、Apple Intelligenceを利用するには10月にリリースされるiOS 18.1にアップデートする必要がある。