大河『光る君へ』道兼役も話題に。玉置玲央が挑む「伝説の舞台」は「“宝物”を交換している感じ」
昨年NHKドラマ10で放映された『大奥』の黒木役、そして現在放映中のNHK大河ドラマ『光る君へ』の藤原道兼役でも、演技力の高さとシュッとした美貌に注目が集まった俳優・玉置玲央さん。 【画像を見る】大河『光る君へ』で大ブレイク!玉置玲央さんが挑む「伝説の舞台」 劇団『柿喰う客』の看板俳優を務めながら、今年はすでに2本の舞台作品に出演するという多忙な玉置さんが、1981年に数多くの演劇ファンを虜にした鴻上尚史さんの伝説的舞台『朝日のような夕日をつれて2024』に出演。演劇ファンにとっては“バイブル”と言っても過言ではないこの作品に最年長として出演されるお気持ちについて伺いました。
1981年から演じられてきた奇跡の作品が復活
――『朝日のような夕日をつれて』は1981年初演から何度も脚本に手を入れながら、最後に再演されたのは2014年。そのとき玉置さんは最年少の『少年』という役で出演されています。玉置さんから見た、この作品の面白さ、長く愛され再演が繰り返されている理由をお伺いできますか? 鴻上さんが書く脚本というのは、その時代時代を都度切り取っているんです。『朝日のような夕日をつれて』で言うと、おもちゃとかゲームという暇つぶしにあたる部分が毎回ブラッシュアップされて、その時代の新しいモノを取り入れるという方向です。だから、“二度と同じ『朝日』はない”んですが、とはいえ、やはり作品自体に流れている熱量や演劇的面白さというのはずっと変わらないと思います。 1981年の初演から変わらない部分が脈々と存在しながら、時代や演じる人間が変わっているんですよね。姿を変えつつ、作品が板の上に完成するというのが、この作品の醍醐味だと思います。 ――「演劇的面白さ」というのは? 演劇というのはやはり“圧倒的体験”だと思うんです。ドラマや映画でも、テレビの前、映画館で作品を観るということは変わらないと思いますが、演劇や舞台で僕が好きなのは、劇場という空間で目の前で、リアルタイムで、ともすればすごく近しい距離で浴びることになる。 それはもう“経験”ではなく“体験”になる――これが演劇の面白さです。この『朝日のような夕日をつれて』はその部分が強いと思うんです。浴びるものが多い。それが、人によっては思い出とか原体験として残っている由縁ですし、作品自体、そして演劇の根底に流れている部分かなと思います。 ――玉置さんは「少なくとも10年間お芝居の世界に立ち続けることができたのは、ひとえにこの作品のおかげのような気がします」とコメントされていました。10年前にご出演され、今回また再出演されることは玉置さんにとってどんなお気持ちですか。 高校生の頃、諸先輩方が「絶対に観たほうがいいよ」と勧めてくださった作品で、いつかこの舞台に立たせていただけるなら光栄だなと思っていたんです。そしたら2014年に出演させていただくことができて、自分の中で目標がひとつ達成できたようなところがあって。10年前はそういう感覚でした。 そして、そこから10年。「芝居の世界に10年立ち続けることができた」と書いたのは、『こんなご褒美のような作品や体験が、この先も待ち受けていたらいいな』と思いながら、今もこの仕事を続けているから。またこういう作品に出合いたいと思っていたら、2024年にまた出演することが叶いました。 今度は大高洋夫さんが演じられていた役をいただきました。気負いとか緊張みたいなものはあまりなくって、楽しいという気持ちが強いです!