ハフィントンポスト日本版開設6カ月 松浦編集長「コメント数まだ足りない」
アメリカのニュース・ブログサイト「ハフィントンポスト」の日本版が、11月7日で開設から半年を迎えた。ハフィントンポストは、アメリカのニュース・言論界で強い存在感を持つサイトだ。日本版も「良質な言論空間の構築」や「識者とユーザーをつなぐ」ことを目指してスタートした。編集長の松浦茂樹氏に、これまでの6か月の手応えと、目指すメディア像などについて聞いた。
6か月間の手応え
《ハフィントンポスト日本版は、2013年5月7日にオープン。アメリカでは、ニュースやブログを中心に読者が意見を交わすオピニオンサイトとして知られており、日本でも参加型のニュースサイトとして期待されている》 ――――日本版がスタートして6か月。手応えは? 松浦編集長 出来ている部分と出来ていない部分がある。出来ているのは、良質のコメントが来ていること。記事についたコメントを再編集してコメントまとめ記事を作成しているが、それも成果の一つ。良質なコメントとは、建設的で前向きな議論につながる意見。誹謗中傷や全否定で終わっている意見ではない。 出来ていないのは、コメント数がまだ足りないこと。UU(サイト訪問者数)は順調に伸びているが、その伸びに比べると、コメントがついていない。一定数以上のコメントがないと、良質な言論空間ができない。 アメリカ版でやっている、コメントを引き出す「ファシリテーター」的な作業もやっていきたいが、現状ではまだまだコメントの数・質ともに足りていない。
サイトの編集方針
――――どういう編集方針なのか? 松浦編集長 ニュースの価値を決めるのはユーザー。人が読みたいと思っているものを察するのが編集の仕事だ。ネットの世界ではお客様、つまり読み手の関心がスタート。自分たちの伝えたいストーリーとお客様が読みたいストーリーが一致することが大事。われわれは団塊ジュニア世代を強く想定しているし、言論空間を構築できるネタなのかを意識している。 ――――サイトとしてのスタンスは? 松浦編集長 人の意見を拾い上げるプラットホームという立場。(思想的な)右とか左とかは特に意識しない。ハフィントンのトップページでいえば、その見出しや編成で興味を持ってもらうことで、記事とユーザーをつなぐ架け橋になりたいと考えている。